第40話

もしかして……
2,123
2020/07/06 14:13



皆で和気あいあいとご飯を食べ始めて数分後



トイレに行っていた北斗が曇った表情をして帰ってきた














森本 慎太郎
森本 慎太郎
遅かったじゃん
髙地 優吾
髙地 優吾
トイレにしては長くない?










随分時間が経って帰ってきた北斗に



何やら違和感を感じたメンバー



すると彼は 思いもよらない言葉を口にした














松村 北斗
松村 北斗
海人にバレた……
田中 樹
田中 樹
は?
髙地 優吾
髙地 優吾
え?
京本 大我
京本 大我
ん?
ジェシー
ジェシー
What?
森本 慎太郎
森本 慎太郎
何が?
あなた

???











みんなのご飯を食べる手が一斉に止まった



そして 皆が楽屋の入口に立っている北斗の方を見ていた














松村 北斗
松村 北斗
正確に言うなら、気づかれたかな……
田中 樹
田中 樹
え、待って 何を……?









謎の沈黙が続いた



皆は北斗が話し出すのを待っていたが



北斗は戸惑っているような様子だった



そして ゆっくりと口を開き話し出した














松村 北斗
松村 北斗
あなたの事……
あなた

え……

京本 大我
京本 大我
えっ……え?
田中 樹
田中 樹
嘘だろ
髙地 優吾
髙地 優吾
やばいやばい……
ジェシー
ジェシー
Unbelievableアンビリーバボー……
森本 慎太郎
森本 慎太郎
はぁ……










皆が一斉に下を向いた



みんなの脳内に出てきた言葉はただ1つ



"公になるとあなたはここには居られなくなる"という事



今回はその一段階目



楽屋の空気が 一瞬で凍ったようになった



















数分前









髙橋 海人
髙橋 海人
あの、1つ聞きたい事があるんですけど……
松村 北斗
松村 北斗
なに?










少し戸惑った様子見せた海人だが



決心したのか 北斗の目を真っ直ぐに見てこう言った











髙橋 海人
髙橋 海人
あなたちゃんって、対人恐怖症ですか……?













突然ドンピシャな質問を聞かれた北斗は



驚きを感じたが なるべく海人に悟られないよう 平然を装った











松村 北斗
松村 北斗
なんでそう思ったの?
髙橋 海人
髙橋 海人
いや、初めて会った時の俺の直感です。彼女、あまり人に接しようとしてなかったですし、話している時に目がそんなに合わなかったですし……







北斗の平然とした様子を見て自信をなくしたのか



下を向いてモジモジと話し出す海人



それを見た北斗は何かピンときた









松村 北斗
松村 北斗
そう思うなら、本人に直接聞いてみたら?
髙橋 海人
髙橋 海人
え……?
松村 北斗
松村 北斗
さっきはあんな感じになっちゃったけど、きっとあなたは海人の事を悪く思ってないと思うよ
髙橋 海人
髙橋 海人
でも、またさっきみたいになっちゃったら……







"さっき"



この言葉を聞いた北斗は



まだ午前中のことを引きずっていると気づき



海人の目を真っ直ぐに見た









松村 北斗
松村 北斗
大丈夫 俺がいるから心配すんな
髙橋 海人
髙橋 海人
北斗くん……










北斗のこの言葉が心に響いたのか



海人はさっきと表情が一変した









松村 北斗
松村 北斗
どうするの?あなたのところに行くの?行かないの?










そして 心に手をあてて誓った











髙橋 海人
髙橋 海人
行きます









"あなたを守る"と

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