第105話

助けてください
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2020/10/13 05:08
藤田 拓也
あなた……











病院に到着し あなたの病室に着くなり



あなたの姿に絶句する"兄妹"と名乗った男性



メンバーはみな その男性を未だに不思議に思っていた










松村 北斗
松村 北斗
それで、あなたと会ったことは無いってどういうことですか?











そんな中 抑えきれなかった疑問が出てきたのか



静かな沈黙の中 北斗がその男性に向かって言った










藤田 拓也
まず俺の話を聞いてもらってくれますか?
髙地 優吾
髙地 優吾
大丈夫です だから、全て話して欲しいんです
藤田 拓也
全て……?











髙地の発言に疑問を抱いた男性は



驚いた表情をして振り返った










髙地 優吾
髙地 優吾
……はい、全てです
藤田 拓也
……
髙地 優吾
髙地 優吾
あっ、なにか気に触るようなこと言っちゃいましたか……?
藤田 拓也
まず、あなたからどこまで聞いてますか?過去について
森本 慎太郎
森本 慎太郎
俺らが聞いたのは……











その男性からあなたの事をどこまで聞いたのか聞かれ



黙々と説明する慎太郎



慎太郎が話す内容を聞いた男性は



あなたを眺めながら聞いていた










藤田 拓也
そーですか……
松村 北斗
松村 北斗
俺ら知りたいんです これから共に時間を過ごしていくので、あなたの事について知っておきたいんです
藤田 拓也
……助けてあげてください
京本 大我
京本 大我
ん?
藤田 拓也
あなたを、助けてあげてください……
田中 樹
田中 樹
助けます 俺らが助けます
藤田 拓也
ありがとうございます……泣











慎太郎から聞いた話が男性の胸に響いたのか



泣き崩れた



"助けてあげてください"



彼の口から出たその言葉が



メンバーの脳に響き渡った



俺らがあなたを守らないといけない



俺らがあなたを救わないといけない



そんなことを胸にメンバーは



彼が話し出すのを待った










松村 北斗
松村 北斗
落ち着きましたか……?
藤田 拓也
はい、ありがとうございます……
京本 大我
京本 大我
何か急にすみませんでした
藤田 拓也
え?
京本 大我
京本 大我
あなたの姿を見てすぐ色々と聞いてしまって
藤田 拓也
いえ、大丈夫ですよ笑 みんな、あなたの事が好きなんだな、あなたは愛されてるんだなって思いました あなたが今置かれている状況について知ることが出来ましたし笑
ジェシー
ジェシー
置かれている状況?
藤田 拓也
はい、もうあんな過去を経験して欲しくないので
ジェシー
ジェシー
そーですよね
藤田 拓也
はぁ……取り乱してすみませんでした まだ名前言ってなかったですね 藤田拓也です 見ての通り今はサラリーマンで雑誌の編集などをやっています なので、皆さんのことも存じ上げております
田中 樹
田中 樹
雑誌の編集……
藤田 拓也
はい そしてあなたとは兄妹という関係ですが、彼女の記憶の中には残るはずもありません 彼女が幼い頃にしかあったことがないので
京本 大我
京本 大我
そーだったんですか
藤田 拓也
なので、僕のことを話すはずもありませんよね笑
森本 慎太郎
森本 慎太郎
そーですね
田中 樹
田中 樹
何であなたの記憶にあなたが残らないの……?
藤田 拓也
それは……











それから話されるあなたの過去は



メンバーが想像していたよりも残酷だった














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