ソイツの目は 、 どこか虚ろで ……
人生の光を 失っていた
" アイツ " の地獄は
ここから始まったのかもしれない
それは 、 大雨の日だった 。
カリムの双子の兄が現れたのは ___ 。
俺はいつもより宮殿が騒がしいのが気になっていた
すると 、 旦那様の部屋から話し声が聞こえてきた
シャランッ
その日俺は信じられないものをみた
同じくらいの歳だろうが
まるで死んでいるかのように目に光がなく
生気を全く感じないあの表情
これが……アイツへの最初の記憶だった
" 私 " は ダレ ?
この " 場所 " は ドコ ?
あれ 、 涙 も出なくなって来ちゃった
まぁ 、 いいよね
そんなもの " クラム " には必要ない
機械が故障するように
" 私 " という " 私 " が 壊れていく音がする
ダレカ 教えテ
" ワタシ " は ナン の タメ二 産 マレ て キタノ?
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!