門を潜り石畳の道を歩く
いつもなら直ぐにつくような道のりもいつも以上に長く感じる
「…あなた」
名前を呼ばれ、足元を見ていた目線をあげる
そこには暗い顔をした恵と目を潤ませた野薔薇が石段に座っていた
あなた「…恵っ!野薔薇っ!」
考えるよりも先に荷物を投げ捨て2人に駆け寄り抱きついた
伏黒「うおっ」
釘崎「っ…」
あなた「ごめん!ごめん!私がもっと任務を終えて帰って来ればこんなことにならなかったのかもしれない!ほんとごめん…!」
伏黒「あなた…!そんなこと言うな!」
あなた「っ…!」
伏黒「お前はお前の任務を全うした。この結果は俺たちの力が無かっただけだ。だから…謝んな」
あなた「っ…ごめん…」
「なんだいつにも増して辛気臭いな 恵 あなた」
「お通夜かよ」
あなた「真希ちゃん…」
伏黒「禅院先輩」
真希「私を苗字で呼ぶんじゃ-」
「真希 真希!!」
2人(1人と1体)が木の影から名前を呼ぶ
「まじで死んでるんですよ」
「昨日!!一年防が一人!!」
「おかか!!」
真希「は や く 言 え や」
「これじゃ私が私が血も涙もねぇ鬼見てぇだろ!!」
「実際そんな感じだぞ!?」
「ツナマヨ」
____________________
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!