―――夜
私とシルクは二人きりに。
部屋は同じものの布団は離して寝ていた。
いつもなら
「もっとこっち来いよ」
とか
「寂しいから隣こいよ」
とか言ってくれるのに...
なんだか切ないなぁ...
背中を向けたシルクの背は
なんだか小さく見えた。
いつものシルクに会いたい。
会ってハグして、キスして、一緒に寝て...
全部私のせい...
速く戻って.....
―――
隣から女の寝息が聞こえると
オレは振り返って顔を見た。
月の光に照らされて光る涙は
頬をつたってシーツに染み込んだ。
その顔はなんだか切なさそうで...
抱きしめてやりたい。
なんでそんなこと...!?
こいつは赤の他人なのに...
なんで、なんでこんなにも...
抱きしめてやりたいんだろう。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。