第39話

38.強さ
31
2020/11/08 13:58
午後6:48


「ねぇ、霊夢。妖夢は何で泣いていたんだろう、」
唐突に凛々が質問をしてきた。
「泣いてた?」
「そう、泣いてた。帰る時、そして私達が暴れてた魂達のもとへ着いた時も。」
(凛々はよく周りを見ている。)
霊夢はそう思った。
「言ったじゃない。魂が無きゃ生命を産み出せない。幽々子が、」
「でも、そうは見えなかったんだ。私には、何かを決意したみたいに見えて、、。」
霊夢は一瞬言葉を失った。が、すぐに答えが届いた。
「そうね。じゃあ殺せなかったじゃ駄目?」
「駄目」
凛々は即答した。
「分かったわ。多分、妖夢は妖夢なりに強くなりたかったと思うの。妖夢は強さが欲しかった。だけど、手に入れられなかった。」
質問をした本人にも関わらず、凛々には、説明がよく分からなかった。
「その妖夢の強さって何?」
「さぁ、私にも分からないわ。」
霊夢はそう答えた。
「何で?」
凛々はしつこく問い求めた。霊夢は、本当は知っているんじゃないかと思ったからである。
霊夢は、また言葉を失った。そして、また答える。
「そうね。でも、妖夢にとったあなたは強い。それだけは言える。」
霊夢はそう答えた。
のち、喋らなくなった。
そして、2人は何も話さずに帰って行った。

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