第70話

67.正体
33
2021/08/07 16:21
午後4:17


パチュリーに連れられて来た先は、とある本棚の前だった。
パチュリーは、その中から厚さ7cmの本を1冊取り出し、机に置いた。パチュリーは、そこからP64を開き、凛々に見せて来た。
そして、1番右上の文の最初に、少し小さな人差し指を置いた。
「西暦前、世界に伝染病がやって来た。
しかし、それは伝染病と言うには視覚的で、かつ、とても残酷な悲痛と叫びを生で実感出来る程であり、とても病気とは言えなかった。
紫のダウンバーストとも言える、捕食するアメーバの様とも言える、あの霧。触ると、たちまち皮膚の凹凸は乱高下し、そこから血が出ては、皮膚が絞られ腐敗していく。
「毒」と言うには、また違う捉え方が出来そうなのである。成分等も無く、ただ人が死んでいく様を見ているだけであった。
だが、何故その毒とも言えず病気とも言えない、その新しい何かは、今は、無いのか?
それは、この魔法などと言ったとても興味深い中へと入って行くのである。
その新しい何かは、儀式によって無くなった。
とある勇敢な男性が、神様へ祈りを捧げ、その何かを消し去ったのである。
その後、男は儀式の生贄となり、死んだ。」
凛々には、分からない言語を、パチュリーが翻訳をして、説明してくれた。
「、、じゃあ、何だよ、?この解明されていない毒は、人が1人死ななきゃ収まらないって言いたいのかよ?」
魔理沙は一言。
そう質問した。
「、、、えぇ。解明する時間が残されていないのでね。」
パチュリーは、そう答えた。
人を殺す。
凛々にとっては、自分が今まで見てきた事の中で、とてもいっぱいいっぱいなのである。

それにしても、この図書館。
沢山の本棚が飛んだり移動したり、何処からそんな魔力が放出されているのだろう?

プリ小説オーディオドラマ