そんな感じで話をしていたら、授業が始まる前に私に用があると言った男の子が「あの」と声をかけてきた。
「あ、ごめんなさい、今行きます」
そう言って行こうとすると、その男の子は突然その場で「高橋さんが好きです!」と告白した。
教室内には私と晴と中間くんと重岡くんだけだったから、そんなに恥ずかしすぎることはないけれど…
それでも人前で告白されるのは恥ずかしい。
「僕と付き合ってくれませんか?」
しかもめっちゃグイグイくる。
「いや、あの…私あなたのこと知りませんし、お付き合いはできません…」
いつも通りそう断ると、男の子は突然私を抱きしめ
「へ!?」
「付き合うと言ってくれるまで離しません!」
「ちょ、ちょっと」
なんて言い出した。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!