告白されること自体が好きやないっていうのはちょっと失礼やな、と思ったけど、それは俺にも少し通ずるもんがあるからなんにも言われへん。
高橋さんと田城さんが席割りを見てから目線をよこしたのは俺らの席の方。
そしてそれは的中して、俺の隣の席に高橋さん、淳太くんの隣に田城さんが座った。
それだけでもまた教室はざわつき始める。
ただ座っただけやのに何をざわつくんやろって思ってたら田城さんが高橋さんに
「あなたちゃん、座るだけでざわつかれてるよ…」
とソワソワしながら言うてる。
それに対して高橋さんは
「私にじゃないでしょ…気のせいだよ」
と言うた。
でもボソッとどこかの席から聞こえた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!