その後、雑貨屋や本屋に寄ったのだけれど、
本屋で一つの本を見つけた。
そこは、「小説を読む、書く前に!」というコーナーだった。
小説には興味はあるけど…
私は推理小説、SF小説を暇な時に読んだりするだけ。
【夏目漱石が残した言葉】…。
思わず手に取ってしまった。
買おうかな?とか思っていると…、
華奈は少し笑いながら
高校生でこんなの読んでたら、そりゃ変だよね…
買うのを辞めようとすると、華奈が急いで言った。
私の手から本を持って、レジに行ってしまった。
梨々香が呼びに来たので、華奈の事は諦めた。
綺麗にラッピングされた本を渡された。
戸惑っている私を見て、
何回も大丈夫だから!って言ってくれた。
はぁ…。
とか心の中で思った。
私のために色々してくれたし、
二人きりの時間、作ってあげないとね。
シルクさん達と合流したし、
作戦実行!
いつもは人に流される私。
今日は華奈のために、勇気を出して
私に視線が集まって、恥ずかしい。
…まあ、頑張るけどさ?
それを聞いたダーマさんが
嬉しそうな顔と声で、
と、賛成してくれて作戦は成功
ダーマさんNice!と言いそうになった。
華奈は作戦に気付いたみたいで、
わざとらしく心配してみると、
ザカオさんは今だ!みたいな顔で
少し大きめの声で言った。
全員ふっ、と笑って
二人の事を察したようだ。
振られたりしたら慰める、って言ったけど
「悔しい」って言いそうだな。
ザカオさんに嫉妬してるのかもしれない…。
大切に思われてて、良いですね
って…。
何分か歩いて、ゲームセンターに着いた。
そらちぃさんと、梨々香は
何故かプリクラに行った。(?)
…このまま行くとさ
私とダーマさんになるよね…?
女子一人…怖い…。
声が聞こえたかと思うと、
手を掴まれクレーンゲームの方に連れて行かれた。
私は不思議でならなかった。
私とまったく関わりが無いダーマさんが、
何故私の手を掴んでいるのか。
曖昧な返事をしてしまったけれど、怒らなかった。
そこも不思議と感じた私は、多分可笑しいのだろう…。
そう言うと、ストラップが景品のクレーンゲームにお金を入れた。
まあな、と言いゲームを始めた。
1回100円だから、何回かやるのかな?
そう思いながらダーマさんがやるのを見ていた。
でも、ダーマさんは
1発で取ってしまった。
そしてまた100円を入れた。
別に良いよ、取れたしって言いながら私を見つめてきた。
2回目も取ってしまったダーマさん。
けど、景品を見つめて少し笑った。
何秒か悩んでいたが、理由を話してくれた。
もしかして…。
ちょっとだけ目を逸らしながら言うダーマさんは
シルクさん達と居る時とは全く違う人だった。
って続けて言ったら、
その一言だけ言われ、頭を軽く叩かれた。
面倒くさそうだけれど、ちゃんと教えてくれる。
ダーマさんは結構良い人?
そう思いながら後を着いていく私。
私って意外と人懐っこいのかな?
次回_ショッピング③
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。