テヒョンside
PM3:45
俺のウサギは熱を出すことなく
咳、鼻水だけで済んだ。
安心していたのも束の間、
どうやら俺はウサギの風邪が移ったらしい。
ねえさんがよく、
子供がいると
いろんなところから風邪をもらってくるから
年中風邪ひいてるとか言ってたけど、、
うちのウサギは外にもあまり出させてないし、
しかも子供でもない。
成人男性だ。
やっぱり俺が外からもらってきてるのか?
あいつの方が弱いから風邪を発症するのが早いのか?
あいつから移ったのか?
考えたら切りがないけど。
ウサギの咳がやっと落ち着いたから
髪切りに行こうと思ってたのにな。
もう切りに来いってジミナに言われてから
だいぶ経ってる。
なんだかんだしてるうちに
タイミングを逃してしまった。
またジミナに怒られそう、、
そんなことに気を取られてたら、
今度は俺が風邪をひいたなんて、、、
あいつがきてから
イレギュラーな事ばっかりで、
それに毎回振り回されて、
まあ振り回されるのは嫌いじゃないってわかったけど。
無駄を楽しむって
なかなかに労力がいる。
熱、は無さそうだけど、
こんな咳ばっかりしてんじゃ
周りに迷惑だし
少し体がしんどくなってきた。
だめだ。
もう帰ろう。
退院したあいつから、
2人で暮らし始めたって連絡が来たから
最後に幸せそうな顔でも見たいなって思ってたけど、
後日にしてもらおう。
こんな俺が顔を出しても、ただの病原菌だ。
あいつには、ウサギには移らないよな?
あいつからもらったようなもんだし、、たぶん。
でもわかんないから
とりあえずマスクだけはさせよう。
PM4:10
ガチャ、
ぺたぺたぺたぺたぺた?
ぺたたっ、ぺたぺたたっ、ぺたたっ、ぺたぺたたっ、、
伸びた髪をふわふわさせてリビングに走る俺のウサギ。
たぶん体温計を持ってきそうな感じだ。
俺は靴を脱いで、
リビングへ続く廊下をゆっくり歩いた。
たぶんそのうちに眉毛の下がった心配ウサギが
体温計を握りしめてくるはずだから。
ぺたぺたたっ! ぺたぺたたっ!
おあ、、なん、、だ、 あたまが、しろ、、、い
そんな心配そうな顔するなよ、、
俺は、 だいじょ、ぶ、
だって、
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!