第285話

むかし ちゃいろ
7,810
2022/06/26 13:49

ジョングクside



俺のいた部屋は僕の他にもう1人、男の人がいた。

僕は今までずっと1人で、
1人が当たり前だったから、
どうして良いかわからなくて、
ただ、静かに、邪魔にならないようにしてた。
はじめてかけられた言葉は、


お前話せねえの?


だった。

僕はずっと、何年も、
買ってもらった人としか話したことがなかった。

それだって話す って言って良いのか
分からないくらいのものだったし。
だから話すのがニガテだった。
言葉もたくさん知ってるわけじゃないし、、

だから、
うん、とか、んうん、しか話せなかった。
でもそのうちに


おい、メシきてるぞ?

寒いんだから布団かぶれよ。

ちょっとくらい食えよ。

ちゃんと薬飲んだか?




って僕が何もできないポンコツなのに、
話しかけてくれるようになった。
たぶん僕より年上の人、だったのかな。
茶色の少し長い髪の毛をしてた。
綺麗な顔をしたその人は
僕のことをいつも気にかけてくれてた。

僕があの人の所に行けないような体になると、
その人が呼ばれて、あの男のひとに、、
されてたんだと思う。


でも僕に怒ったりはしなかった。
そうゆう、、ひとだったんだ。きっと。


僕は何も返せなくて、
言葉も、何も、返せなくて、、



うん、 何もおかえし、することができなかった。










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