第2話

浅木 ななか
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2018/09/16 02:21
私の声、何人に届いてるんだろ。

修学旅行の事前確認とだいしたこの学年集会で、
しおりの書くままを3年全員に読み聞かせている。


意味あるのか、これ。


修学旅行実行委員なんて、名前だけだ。
基本は全部先生からの指示からだし。
実行委員だけで実行出来ることなんてない。
絶対許可いるし。
浅木 ななか
浅木 ななか
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ぱら、としおりをめくる。
淡々と、しおりに書いてあることを読む。
ただそれだけ。

みんなはどんな思いで私の話を聞いてるのかな。
てか、話聞いてくれてるのかな。
それさえも怪しい。

だだっ広い体育館内に反響はんきょうする、自分の声。

私って、何のためにここにいるのかな。

つまんないな、自分。

早口で読み進める。早く終わらせてしまいたい。
早く帰りたい。早くこの場から消えたい。
早く、早く────
浅木 ななか
浅木 ななか
──それでは、これで事前確認を終了します。
連絡を最後まで言い終わらないうちに、
私の声は彼らの雑音によってき消された。


────この3日間は、
    誰にとっても幸せな日々ではない。




変わり者異質なものというレッテルを貼られた私には、とても。

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