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第3話

第2話
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2021/02/28 04:39
七海海翔
七海海翔
猫宮が俺に楽曲提供をしてくれたneco?
猫宮琴音
猫宮琴音
俺にってどういうこと?
まずい。

猫宮には確実にバレてると思ってたけど、

知られてなかったのか?
猫宮琴音
猫宮琴音
もしかして!?

七海くんって……………

歌い手のumi!?
七海海翔
七海海翔
しっ!

うるさい猫宮!
俺は焦って猫宮の口を塞ぐ。
猫宮琴音
猫宮琴音
モゴモゴ…………
七海海翔
七海海翔
俺がumiだってことは黙っててくれ
猫宮琴音
猫宮琴音
どうして?
七海海翔
七海海翔
だって……………
だって、今の俺は……………………………





























歌い手だった頃の俺じゃない。

無邪気に歌を歌って、喜んでいた俺じゃないから。
七海海翔
七海海翔
どうしてもこうしても

ないんだよっ!!!

俺の気持ちがお前に分かって溜まるか!
猫宮琴音
猫宮琴音
でも………………
七海海翔
七海海翔
でも?

なんだよ!?
猫宮琴音
猫宮琴音
でも!

七海くんの歌…………!
俺の…………………歌?
猫宮琴音
猫宮琴音
さっきの音楽の授業での歌!

すごく楽しそうに歌ってた
楽しそうに………………?

歌うことが嫌いで、ずっと避けて生きてきたのに…

それでも、俺の歌は楽しそうに聞こえたんだ…………
七海海翔
七海海翔
俺の歌った「夢の唄」は…………!
猫宮琴音
猫宮琴音
「夢の唄」はあの頃に戻りたい

っていう想いが込められた、

umiくんの最後に投稿したオリジナル曲

曲を作った本人なら分かるよ
七海海翔
七海海翔
そう……………だよな………
俺は「夢の唄」の作詞をした時、

ずっと母さんのことを恨んでた。
―――――――――1年前―――――――――
先生
先生
さあ!!

歌いなさい!海翔!
七海海翔
七海海翔
分かったよ母さん……………
あの頃の俺は強要されて歌ってた。

歌い手を始めたての頃のような快感はなかった。
七海海翔
七海海翔
あ、今日はリモートでの打ち合わせだ。

necoさんとだったよな……………
俺はnecoさんの「REMEMBER」を聞いて、

こんな曲を表現したいと思ってずっと歌ってきた。

だから、necoさんと曲を作れるのは、

すごく嬉しいんだけど…………
七海海翔
七海海翔
今の俺にとっては辛いんだよ
それでも、作らない訳にはいかなかった。

俺の………………









































引退楽曲になるのだから。
neco
neco
あっ、あー!
neco
neco
umiくん?声聞こえてる?
umi
umi
あ、necoさん!

聞こえてますよ〜
neco
neco
今回の曲はどんなイメージ?
umi
umi
そうですね………………

過去に………………


1番楽しかった頃に戻りたいって

思いを作詞に込めるつもりです。
母さんに勝手に始められた歌い手活動。

始めたての頃が1番楽しかった。

あの頃に……………

俺を連れ戻してくれるような曲。

そんな曲をnecoさんと話して

作っていくことになった。
―――――――――現在―――――――――
七海海翔
七海海翔
俺は!

今でも母さんを恨んでるよ
猫宮琴音
猫宮琴音
七海くん……………
七海海翔
七海海翔
俺にはもう関わらないでくれ!
猫宮琴音
猫宮琴音
それはいやだ!
七海海翔
七海海翔
どうして?
猫宮琴音
猫宮琴音
七海くんに……………

また、umiくんに歌を歌うことを

楽しんで欲しいの!
七海海翔
七海海翔
楽しむ?

どうやって楽しめって言うんだよ
俺は猫宮にそう問いかけると、

想定外の答えが返ってきた。
猫宮琴音
猫宮琴音
私の家に来て!
七海海翔
七海海翔
はあぁぁぁぁぁ!?

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