第10話

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2021/02/09 12:33
《あなたside》






遠くに見覚えのある顔。






1度見たら忘れないし、あの綺麗な顔はすぐに分かる。







リノもすぐわたしだって気づいたみたい。








路上ライブが終わって、チケットを売ってるけどリノはずっと後ろで立ってこっちを見つめている。






だんだん人が引いてきて、リノがこっちに近づいてきた。


(なまえ)
あなた
久しぶり
リノ
リノ
うん、久しぶり
(なまえ)
あなた
聴いた?
リノ
リノ
聴いてたの見たでしょ?
(なまえ)
あなた
見た。……どうだった?
リノ
リノ
やっぱり、良かった。ほかの曲もよかったよ。
(なまえ)
あなた
ありがと
リノ
リノ
チケット売って欲しいんだけど?
(なまえ)
あなた
え、来れるの?
リノ
リノ
うーん、少しなら顔出せる
(なまえ)
あなた
わかった、ちょっと待ってて
リノ
リノ
???



《リノside》



ちょっと待っててといって、メンバーの方に駆け寄るあなた。





俺を指さして、メンバーが一斉にこっちを見た。







戻ってきた。
(なまえ)
あなた
いいって!
リノ
リノ
なにが?
(なまえ)
あなた
週末のライブは、ゲストで入って。受け付けに名前言えば入れてくれるようにしとく。その許可をメンバーにとってきた
リノ
リノ
いいの?
(なまえ)
あなた
曲名つけた人っていったら、いいよって。元々メンバーもみんなライブに呼んでっていってたからさ
リノ
リノ
ありがとう、ちゃんと行くね
(なまえ)
あなた
リノがわたしのライブ来てくれるのなんてもう、二度とないかもしれないしさ
リノ
リノ
??なにそれ、どういうこと?
(なまえ)
あなた
いや、ほら、リノだって暇じゃないでしょ?
リノ
リノ
別に暇じゃないけど、あなたのライブは予定が合えば行けるよ(笑)
(なまえ)
あなた
そっか、
リノ
リノ
ん?なに?どうした?
(なまえ)
あなた
別に?
リノ
リノ
じゃ、週末ね。
(なまえ)
あなた
うん、わかった。またね。



野良猫みたいにふらふらしている彼女が、なぜか寂しそうな顔をした。







そんなこと気にしなかったじゃん。






ましてや俺のことなんて全く興味なかったじゃん。






どうせ、猫みたいな君のことだ。






気まぐれだろ。
















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