【部活】
部室(音楽室)に来てみると、深瀬が吹部のみんなと仲良さそうに話していた。
深瀬に何か頑張らなくちゃいけないようなことはできない気がする。続かなくてすぐ辞めてしまいそうだ。自分でもそう思ってるはずなのにどうしてだろう。
!?!?
深瀬は吹部がどれだけ大変なのか知らない。吹部を軽く見ているのか。
深瀬は少し怒ったように言った。
私はこれ以上イライラしてしまうと深瀬との関係が崩れてしまうと思い、今にも爆発しそうな感情を抑えた。
深瀬がフルートを吹いているところを想像すると、あまりにも不似合いだと心の中で笑った。
私は口をふくらませて言った。私の第1希望の楽器がフルートだった。あの綺麗な音色を吹きたいと思ったから。
確かに似合わないと言われると嫌な感じだと思ってはいたけど、そこまでは怒ってない。
深瀬に楽器を出させていると、夕陽が私のとこに来た。
そう言うと私を校舎の裏にある花壇の所に連れて行った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!