第8話

白狐
22
2020/12/01 16:20
俺は朝早くこの王国の精霊領域を探した。
気配から感じるに王国の北側だと俺は確信した。
ブルリスタ
ブルリスタ
ここら辺のはずだが…
アテナ達が体内から指示する。
アテナ
アテナ
この真下にありますね。
ブルリスタ
ブルリスタ
ここは…
大きな木がたっている場所だった。
凰火
凰火
あれ?ブルリスタ。なんでこんな所にいるんだい?
大きな木をの下に立っていたのはこの王国の皇子、凰火だった。
ブルリスタ
ブルリスタ
凰火。話がある。
凰火
凰火
うん?なんだい?
凰火はいつもの穏やかな雰囲気で聞いていた。
ブルリスタ
ブルリスタ
お前に精霊使いになって欲しいんだ。
凰火
凰火
えっ?僕がかい?
ブルリスタ
ブルリスタ
そうだ。この王国には自然の精霊フィーシがいる。その精霊が今王国を守ってるって言っても過言ではない。そいつがずっと主を見つけないままこの王国を守るとカタストロフが起きてしまい、悪い方向に進んでしまう。だから、お前に精霊使いになって欲しいんだ。
凰火
凰火
そんな大役が僕につとまるかな…
さっきの雰囲気とは違い、不安の気が流れいた。
ブルリスタ
ブルリスタ
そして、この大きな木の下に王国の精霊領域がある。だから、一緒に来てくれないか?
凰火
凰火
この千年大樹の下に!?
凰火は驚きが隠せない様子だった。
千年大樹とは、この桜蓼さくらたで王国の象徴の木だ。
凰火
凰火
千年大樹を切ったりしないよね?
ブルリスタ
ブルリスタ
あーそんなことはしない。大丈夫だ。
凰火
凰火
うーん、まだ僕にできるかどうかはわかんないけど、王国のためにやってみるよ。
ブルリスタ
ブルリスタ
そうか!じゃあ今から俺が呪文を言って精霊領域の扉を開くだから一緒に行こう。
凰火
凰火
あぁ!
そう言った瞬間、王宮にもいた時の殺気を感じた。
だんだん近づいてくる。ものすごいスピードで…
ブルリスタ
ブルリスタ
凰火!!
俺は凰火を庇うようにして避けた。
白狐
白狐
あのお方に近づくとは許せぬ。ここで殺してやる。
ブルリスタ
ブルリスタ
へぇー…ミセージーに勝つ気でいるんだ。それは笑えてくるね。世間知らずの妖怪さん😊
俺はかなり怒っていた。だから、挑発するような言い方をした。
白狐
白狐
なに?
白狐も怒っている様子だった。
ブルリスタ
ブルリスタ
お前の殺気は人を殺す殺気ではなく、誰かに訴えかけるような殺気だ。お前の守る精霊さんになにかあったんじゃないか?そうだろ白狐。
白狐
白狐
さすが、我が気に入っただけではある。そうだ。あのお方は主を探していた。それがお前にふさわしいと思った。
ブルリスタ
ブルリスタ
なるほど…でもあいにく俺はその精霊さんの主候補から辞退させてもらうよ。
白狐
白狐
なに!?
ブルリスタ
ブルリスタ
だって、俺は神を2体も宿してる。だから、体内が崩壊してしまうだろ。そんなのはお役御免だね。
白狐
白狐
ならば殺すだけだ。
ブルリスタ
ブルリスタ
待て待て!人の話は最後まで聞け?😊
白狐
白狐
なんだ?命乞いか?
ブルリスタ
ブルリスタ
いいや、その候補にこいつはどうかなって
白狐
白狐
そっちにいるこの王国の皇子か?
ふんっ(笑)バガげてる
そんな弱々しいやつに務まるか‪(笑)
凰火は、本当のことを言われてしょんぼりした様子だった。
ブルリスタ
ブルリスタ
そうかもしれない。だが、こいつには神も認めた思考がある。その分気に入ってくれるんじゃないか?
白狐
白狐
なに?!そいつが神に認められただと?!
白狐は驚いて、殺気を消し攻撃するのをやめた。
白狐
白狐
名はなんという。
凰火
凰火
凰火です。
納得してない様子だった。
白狐
白狐
では、参るぞ。あの方の場所へ
ブルリスタ
ブルリスタ
あぁ!!
凰火
凰火
はい…
凰火は、少し緊張していた。俺は凰火の肩を叩く。
ブルリスタ
ブルリスタ
そんなに気を重くすることはない。
凰火
凰火
あぁ、ありがとう…
俺たちは、それまで知らなかった。
本当の絶望を知ることを…

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