松音side
バンッ!
死を覚悟して目を閉じた
でも、本当は来るはずの痛みが数秒経っても来なかった
私はゆっくり目を開けた
目の前にいたのは──
力無く倒れたロイを見て
撃たれたのが私ではなく、
ロイである事に気づくのに差程時間はいらなかった
目の前で起きた事を理解したかった
でも受け入れたくなかった
じわじわ……じわじわ………心を染めるように……
十数秒かけて、やっと理解した
ロイが、死んだ
私は繋がれてる鎖の音を鳴らしながら
何度も、何度も相棒の名前を呼んだ
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──スナイパー班
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──東郷の部屋
呼んでも、呼んでも、いくら呼んでも動かなかった
現実を認めざるを得なかった……
こんな状況で……助けられない……
私は鎖を解こうとしていた力を緩めた
相棒がいなきゃ、私に生きる価値なんてない
そんなおそ松兄さんの声も届かないくらい
絶望してしまっていた
………え?澪音くん……何するの……
嫌だよ……もう失いたくない……やめて……
その声のあとに扉が勢いよく開いた
そこに立っていたのは──
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──説教中
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。