松音side
──ボスの部屋
チョロ松兄さんが頭に指を指した
一瞬何を示してるか分かんなかったけど
すぐにテレパシーと分かった
そっか……外で聞き耳立てられてたら会話丸聞こえなのか
私は音を立てずに非常口の方に行った
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外に物音無し…
気配も無し…
行ける
そして私は静かに扉を開ける
開けた時、全く無音で何かが擦れる音すら聞こえなかった
ほんとに非常口なんだな……
私は辺りを見回す
みんながいつも出入りする扉に、3人程待ち伏せをしていた
チョロ松兄さんの予想当たってた……
見たところカラ松兄さん達はいない……
早くここから離れないと
私は、絶対に音を立てないように、気配を消してその場から離れた
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──談話室前
カラ松兄さん達も心配だけど
先に動物達を見ないとごめんみんな
扉に手を掛けようとしたその時──
ウイーン
扉が1人手に動いた
私は咄嗟に距離を取った
………一松達……ねぇ
トド松と一緒に居たカラ松兄さんが、探してる一松と十四松の事を達って付けるかな?
いや、カラ松兄さんなら「一松と十四松」ってちゃんと2人の名前呼ぶはず
この人
誰…!
顔、体格、仕草
全部そっくり
でもこの人はカラ松兄さんじゃない
あくまで、他人
信じちゃダメだ
私は少し距離を空ける
動きが分かるように、目を離さないように
え…
やっぱり……ほんとに……
その時、突然駕洛茉がこちらに向かって走ってきた
ヤバい……避けないと!
避けたと思ったら正面にいた
なん…で……
捕まる…!!
カラ松兄さんが前に来て、私が捕まるのを阻止してくれた
状況が分からないまま、カラ松兄さんは膝をついた
私は飛び出すように走った
✩⋆*॰¨̮⋆。˚【動きを止める能力】
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次回、微エロ?注意
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!