松音side
──ボスの部屋
そういえば澪音くんが貴族だったっていうの初耳だな
まぁ言われてないし、当たり前か
私とカラ松兄さんはあなたちゃんの話したことを簡潔にまとめて話した
澪音くんと関わりあるかもしれないことは伏せて
弟達の意見ももちろん分かる
分かるからこそ同情して意見を変えてしまいそう
説得するのも心が痛い
でも、感覚が、直感が、今までの経験を活かして思ったことが…
全部がこの子を否定するなって言ってる
私はそれを信じる
コンコン
突然扉からノック音が聞こえた
扉が開くと、そこにはリリーが立っていた
ドサッ
傍に駆け寄ってリリーの身体を起こした
みんな一斉にボスの部屋から飛び出して行った
残った私達はみんなを寝かせられるスペースを作って
リリーに話を聞くことにした
私はリリーを抱きかかえてソファに寝かせた
リリーの様子は、頭を抱えていて、苦しそうにしている
辛いだろうけど、少しでも原因が何か探らないと
ガシャン!
バンバン!
突然何かの割れる音、銃声
一瞬何が起こったのか分からず、静止してしまった
返事が……無い
おそ松兄さんが全員の名前を呼んでも、誰からの返事も無かった
2人が言い合いになりそう……
ここは…………
否定が早い
迷ってる…
でも、私はこれが間違ってると思わない
でも……
いつも、無理言ってるのも事実……
こんなわがままでごめんなさい、でも役に立ちたいから
うっ……つまり半分ってことか……
でも許しは出た
みんなの無事を確認しないと
2つ……初めてだ……
私はTWICEを2粒同時に口に含んだ
……っ!
こ……れは……
おそ松兄さんに呼ばれた
なんとも言えない表情をしていて、不思議な気持ちになった
徐におそ松兄さんが近づいてきた
1歩、1歩、少しずつ
目の前に来た時
ふわっと頭を撫でられた
そこにはおそ松兄さんの色んな感情が見えた
行かせたくない、心配、気をつけて
でもマイナスだけじゃなくて
頑張って、頼りにしてる、弟達を助けて
あぁ、信頼されてるんだな……って思える
急に頭同士をくっ付けてきた
今、兄弟達と全くコミユニケーションが取れないこの状況…
1番不安なのはおそ松兄さんだ
?チョロ松兄さんが見てくる
と言いながらチョロ松兄さんも近づいてきた
ほんと、リラックスさせるの上手いな……
よし
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!