起きてからしばらくがたった。涙が止まってから、僕は着替えてライモンのところヘ向かった。ライモンはすぐに僕に気付いた。ライモンは僕を見て
と、心配そうに聞いてきた。
僕は明るく言った。…つもりだった。ライモンは僕の異変に気付いたようだ。僕が気付いていないだけで、それなりに変わったようだ。
と、ライモンは心配そうに言ったけど僕は
と、言った。ライモンは、まだ言いたいことがあったみたいだけど諦めたようだ。
ライモンはそう言った。そして、その洞窟の方へ歩き始めた。僕もその後をついていった。
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洞窟は思った以上に近いところにあった。そして結界を張って、魔法の試し打ちを始めることにした。
まず最初に《ファイヤーサークル》だ。発動させてみた。すると、なんということでしょう!周りに生えていた草がすべて燃えた。その文字通りえげつない。草は全部燃えてるのに火が消えないんですけど!逆に激しくなってません?ライモンはこれを見てフリーズしてしまっている。僕は火を消すついでに《ウォーターサークル》を発動させた。すると、火は消えたけれど水が多すぎて僕の膝のあたりまで水に浸かってしまった。ライモンは…もう無視しておこう。次に《ストームサークル》を発動させた。すると、雷を纏った黒い竜巻が洞窟にたまった水をどんどん巻き込んでいった。もう水がなくなった頃やっと竜巻は消えた。もう一つ《名探偵》という魔法というかスキルがあるのだけどそれは普段から使えるのだそう。このスキルを使うと相手のスキルや強さがわかるとか。私がスキルの性能を調べていると、ライモンが何事もなかったように起き上がって
と、言った。僕はライモンに言いたいことがあったけれど、今言うのはやめることにした。その、僕が言いたいことっていうのは……冒険をしたいということだった…。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!