第5話

♤第一部♧ 夢から目覚めて
128
2020/02/26 11:30
 起きてからしばらくがたった。涙が止まってから、僕は着替えてライモンのところヘ向かった。ライモンはすぐに僕に気付いた。ライモンは僕を見て
ライモン
ミイシャ様、何かあったのですか?
と、心配そうに聞いてきた。
ミイシャ
ううん。大丈夫、大丈夫だよ!
僕は明るく言った。…つもりだった。ライモンは僕の異変に気付いたようだ。僕が気付いていないだけで、それなりに変わったようだ。
ライモン
なんというか、元気がないっていう感じがして…。風邪を引いてはいないようですが…。
と、ライモンは心配そうに言ったけど僕は
ミイシャ
大丈夫だから!それよりも僕、魔法が使えるんだけどそれを見てくれない?
と、言った。ライモンは、まだ言いたいことがあったみたいだけど諦めたようだ。
ライモン
わかりました。近くの洞窟に結界を張ってやりましょう。
ライモンはそう言った。そして、その洞窟の方へ歩き始めた。僕もその後をついていった。
▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪▫
 洞窟は思った以上に近いところにあった。そして結界を張って、魔法の試し打ちを始めることにした。
 まず最初に《ファイヤーサークル》だ。発動させてみた。すると、なんということでしょう!周りに生えていた草がすべて燃えた。その文字通りえげつない。草は全部燃えてるのに火が消えないんですけど!逆に激しくなってません?ライモンはこれを見てフリーズしてしまっている。僕は火を消すついでに《ウォーターサークル》を発動させた。すると、火は消えたけれど水が多すぎて僕の膝のあたりまで水に浸かってしまった。ライモンは…もう無視しておこう。次に《ストームサークル》を発動させた。すると、雷を纏った黒い竜巻が洞窟にたまった水をどんどん巻き込んでいった。もう水がなくなった頃やっと竜巻は消えた。もう一つ《名探偵》という魔法というかスキルがあるのだけどそれは普段から使えるのだそう。このスキルを使うと相手のスキルや強さがわかるとか。私がスキルの性能を調べていると、ライモンが何事もなかったように起き上がって
ライモン
ミイシャ様。そろそろ帰りましょう。きっと村の皆も待っているはずです。
と、言った。僕はライモンに言いたいことがあったけれど、今言うのはやめることにした。その、僕が言いたいことっていうのは……冒険をしたいということだった…。

プリ小説オーディオドラマ