第33話

♤第一部♧ ラピスの母親
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2020/02/27 08:03
レヴァン
俺様はあの子を…ラピスを、アイツの母親…オパールと同じにしたくないんだ…!!
オパール…?ラピスちゃんの母親…?そういえば、会ったことがないな。
シルア
ワタクシ…聞いたことがありますわ。オパール様は光の上位精霊。今から九年前、アンデッドキング不死の王と呼ばれた骸骨王スケルトンキングとの戦いで地に還ったと聞いたわ。
ミイシャ
精霊が地に還ったって??
シルア
精霊とはその地の魔力溜まりから生まれるの。主に大森林とかのね。力も無く、自我の無い下位精霊の方が多いけど、稀に自我を持って生まれてくるのもいるの。それは上位精霊って呼ばれてるわ。そして、上位精霊には『核』と呼ばれる魔力がギュッと集まったところがあるの。心臓みたいなものね。それを壊すと…。
ミイシャ
…その精霊は、魔力になるの?
シルア
うーん、そうね。正確に言うと、その属性の魔力の根源になるの。水の属性であれば水に、火の属性であれば炎に、樹の属性であれば花に、光の属性であれば光になるの。でも、闇の上位精霊は少し違うの。
ミイシャ
違う?
シルア
闇の上位精霊は核を壊されたら、呪いの光になるの。
闇の上位精霊さん、こわっ!!
シルア
さっ、精霊の核のお話はこれくらいにして本題に戻りましょっか。
レヴァン
あぁ、そうだな。
レヴァン
…さっきシルアが言っていたことは、正解だ。オパールは死んだんだ。体を引き裂かれて、な…。
体を引き裂かれてって…。
レイン
それほどのことがあったのならば、ラピス様を連れていきたくないと言うのも納得ですね。
うんうん、そうだね。きっと《?????》との戦いってのは絶対にあることだろうし…。窮地に立たされる可能性も少なからずもある。そんな危ない所に娘を連れていきたくない。それは、よくわかる。大切な妻が体を引き裂かれて死ぬところを見たレヴァンさんなら尚更だろう。
シルア
…ミイシャ様、聞いてますか?
ミイシャ
ひゃい!!
ヤバい。聞いてなかった。驚きすぎて舌を噛んでしまった。
シルア
そうだ!ちゃんと話を聞いてなかった罰として、ラピス様に行ってほしくない理由とかを言ってもらえばいいんじゃない?!
え?え?え?
ミイシャ
え?あ、ちょっ、それはちょっと無理があるなぁ~!あっはっは…。
シルア
ぜっっったいです☆
え?ナニコレ?ものすごく黒い笑み!他のみんなも助けてくれる気配がない!それどころか、シルアちゃんと同じような黒い笑顔!こわっ!!マジでこわっ!!
ミイシャ
わ、わかった!だからその顔やめて!怖い!ほんっっとうに怖いから!!
シルア
ふふっ、わかりましたわ。それではよろしくお願いしますね。ミイシャ様。
ヒィィイイ!!怖い、怖いってばぁ~!!

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