今から千年くらい前のことです。一柱の神様がこの地の人々と共に暮らしていました。その神様は、アラマズトという太陽と光と豊穣の神でした。その神様のおかげで、この地は毎年豊作で、とても恵まれていました。
ある日のことです。アラマズドのもとへ一人の少女が現れました。その少女は他の者に姫と呼ばれる者でした。姫は、アラマズドの大切な友になりました。姫は、アラマズドのことを大切にしました。そして、アラマズドも姫を大切にしました。
それから、約一年後のことです。姫様の住む村をお隣の国、バリスが攻めてきました。戦いは長く続きました。そしてその姫は戦の後、姿を消してしまったのです。アラマズドは消えてしまった姫に対し、深く嘆き悲しみました。そして、自らの富のためだけに姫を襲った人間を、アラマズドは許しませんでした。
アラマズドは人間達への仕返しとしてたくさんの人間を殺めました。それは、およそ一年ほど続きました。
約一年の間人々を殺め続けたアラマズドは、その頃に地上に降臨した女神・リイシアによって大樹に封印されました。その大樹が今、エンジェの中心にある大樹なのです…。
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…にしても、大樹に神様が封印されているとはねぇ。姫ってのは多分、グリーシアだろうな。
『ゴゴゴゴゴ…』
また揺れた。さっきより少し強い。
ほへぇ。そんなのがあるのか。なんでレヴァンさんがそれを知っているのか気になったけど、今は無かったことにしておこう。
僕達はそれぞれの武器を持って外へ駆け出した。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。