第4話

♤第一部♧ 君との約束
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2020/02/26 11:29
 今、僕は凄いお屋敷の中にいる。少し状況を整理しよう。僕はライモンと話をして、夕食を食べて、それから宿屋の自分の部屋のベッドで寝たんだ。じゃあ、何故に僕はこんなお屋敷の中にいるんだ。って話になる。
ミイシャ
意味不明なんだけど…
僕の声に答える人がいた。謎の神、リイシア・アリシードがそこにいた。リイシアはにんまりと笑って言った。
リイシア
ここは私がつくった夢の館。君に素敵な、素敵な夢を見せてあげよう。まぁ、記憶の欠片みたいなものだけどね♪
ミイシャ
うっさいオバサンだなぁ。もうちょっと詳しく教えてよ。まぁ、どうせ教えてくれないだろうけど。
即答。あっ。つい心の声が漏れてしまった。リイシアは、ちょっと悲しそうな顔して文句をぶつぶつ言ってからいつもの笑顔になった。そして何もなかったのかのように
リイシア
とゆーわけで君には素敵な夢を見てもらおう。…と、言いたいところだけど少し待ってね。君!この世界で魔法が使えないと不便だろ。だから君に少し魔法が使えるようにしてやろう。現実に戻ってから確認するが良い!それでは、いってらっしゃい!
いきなり目の前が光に包まれた。それから、意識が遠退いて…。
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 真っ赤な炎が周りで燃え上がっている。大切なモノも、人もどんどんいなくなっていく。
ミイシャ
なに…これ…。
そうだ…みんな僕…いや、私のためにいなくなってしまったんだ。私が《チカラ》を使ってしまったから。私の目の前にいた《人》が私の方を向いた。よく…見えない。何故か…見えない。あなたは誰?あなた誰なの?そう言いたいけど声が出てこない。目の前にいる《人》は微笑んでいるのだろうか。でも少し、悲しそうな声で
《人》
ごめんね。最後まで君を守ってあげられなくて。僕はずっと待っているよ。約束だよ。千年後、君が目覚めるその時まで。ずっと、ずっと待ってる。だから、またね…。
その《人》は前から来る武装兵の集団に向かって突進していった。
ミイシャ
嫌だ!やめてよ!もう私は大切な人を失いたくない!
次の瞬間、私の目の前が光に包み込まれた。
ミイシャ
いやぁぁぁぁぁぁ!
私の悲痛な叫びはそのときにはもう、誰にも聞こえてはいなかった。
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 僕は飛び起きた。何故だろう。涙が止まらない。あの人は誰だったんだろう。あの、懐かしい感じは何だったんだろう…。あの人はまだ、待っているのだろうか。千年間、僕のことを。

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