第31話

♤第一部♧ 脱出!
69
2020/02/27 07:59
 完全に僕の中からグリーシアというのが消え去った…気がする。あぇ?ちょっと待って。体の力が抜けて…。
ミイシャ
…ぁ…。
けど、僕の体が地面に投げ出されることはなかった。気づいたアラマズドが僕の体を支えてくれたのだ。
アラマズト
…大丈夫ですか?
ミイシャ
あ…りが…と…う…。
ふぅ。助かった。
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 しばらくして、体に力が入るようになった。
ミイシャ
よっ、いしょっと…。
僕は起き上がった。
シルア
大丈夫ですの?!
ラピス
お姉ちゃん、大丈夫?
みんなが心配してくれる。
ミイシャ
大丈夫だよ。心配してくれてありがとう。
レイン
先ほどの力は一体…?
レヴァン
まるで、お前じゃない誰か…姫様みたいに見えたが?
あー、それね。僕もわからないんだけど…。まぁ、答えるだけ答えておこう。
ミイシャ
うーん、僕もよくわからないんだよね…。でも、僕の中に姫様がいたんだと思う。
レヴァン
そうなると、なんでミイシャに姫様の意識が乗り移ったんだろうな。本当にお前と姫様にはどんな関係があるんだ?
ミイシャ
し、知らないよ!僕は他の世界から来たんだもん!!
レヴァン
他の世界??
ラピス
他の世界って??
ミイシャ
あ…。
レインとシルアちゃんが「やっちゃったね。」って顔で見てくる。お願いだからそんな哀れな奴って顔しないでくれ。まぁ、やっちゃったのはやっちゃったんだからしょうがない。それに、近いうちに言うつもりだったしね。
ミイシャ
ぼ、僕!!実は、他の世界から来たんだ!!かくかくしかじかで…。
僕は、簡単に説明した。
レヴァン
まさか、女神が関わってるとはな…。
うんうん。そりゃ、神様が関わってるとは思わないよね。まぁ、こっちには証人としてシルアちゃんというのがいるんだけどね!シルアちゃんはリイシアの使いだもん!
アラマズト
あ…あの…少しいいですか?
ミイシャ
なぁに?アラマズド。
アラマズト
私は、リイシアによって封印されてましたよね?その封印は、とある者によって解かれたんです。
ミイシャ
とある者とは?
アラマズト
私もわかりません。けど、その者は赤き光に包まれていました。赤き光は闇の力そのモノのようでした。それでいて、その者の瞳は悲しみに満ちているように見えました。
そこで、僕達は確信した。封印を解いたのは《?????》だと。レヴァンさん達にも前に説明しておいたから気づいただろう。でも、操られてそうってのはわからないな。
ラピス
…そういえば、封印が解けたってことはさ、他の人達もここに来るんじゃない?こんなとこ見られたら、ちょっとだけ大変なんじゃ?
ミイシャ
あー…。
僕も今気づいた。…って、あれ?
ミイシャ
ちょっ、ちょっと!?ここにたくさんの人が向かって来てるよ!!
僕の耳がたくさんの足音を聞き取った。あー、詰んだかもね。コレ。
シルア
ふっふっふ…!ワタクシのことをお忘れになられたの…?
シルアちゃんが羽を大きく羽ばたかせた。
シルア
ワタクシが皆様をお外に連れていって差し上げましょう!!
ミイシャ
で、でも!ここからどうやって出るの?天井は完全に樹で覆われてるし…。
シルア
それは大丈夫よ。ね?レイン。
レインだって?!
レイン
はい!大丈夫です!!えーっと、調べたところによるとですね…。アラマズドさんが封印されていた…鏡のように見えたところの横の樹の壁が、隠し扉になっていると思います。開くと道があり、まっすぐ進んでいくと天井が無くなって、そこから脱出できるハズです!!
まさか、レインにこんなスキルがあるとは…。さっきの「樹が悲鳴を上げている」ってのもこのスキルによるものなのかな?
ミイシャ
ありがとう、レイン!みんな、行くよ!!
全速力でレッツゴーだね!

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