みや、今何してるのかな。誰といるのかな。
どこにいてもそんな疑問が頭をよぎる。
行為を断ったあの日から、俺はみやと一度も会っていなかった。連絡もしてない。
連絡、してみようかなぁ。
携帯を手に取りメッセージアプリを開く。
みやのアカウントを見つける。
胸がキューってなった。
それは、みやのアカウントのトプ画がみやとかすちゃんのツーショットに変わっていたから。
思わず呟いてしまいテオくんに不思議に思われた
テオくんにはみやと距離ができたって事は言わない様にしてる。
迷惑かけたくないしね
再び携帯に目を移し、おさまらない胸の痛みを抱えながらトークを送る。
何してますか?っていうのはちょっと重すぎだと思われるし、元気?っていうのも違う気がする…
色々考え、思いついた言葉を打つ。
『好きだよ』
送信、っと
俺の今の思いを全て込めた言葉。
お願い、みや。俺の気持ちに気付いてよ。
みやのことは大好きだよ、前も今も。
だから少しのことでも嫉妬しちゃうんだよ。
俺のことだけ見ててよ。
なんて、叶いもしない事を考えながら返事を待つ。
数分後、メッセージが返ってきたことを伝える通知音が携帯から流れた。
恐る恐る、携帯の画面を見る。
今の俺、告白の返事を見る女の子みたいな気持ちになってると思う。
そこにはみやからの返事があった。
『うん』
たった二文字の返事。
この二文字に何か深い思いがあるのは感じ取れなかった。
そうか。
俺はみやに嫌われたんだ。今まで認めたくなかった事実をようやく認められた。
勝手に目から涙が溢れた
みやと両思いだとわかった時の嬉しさを思い出してしまう。
なんでこんな時に思い出しちゃうんだよ…
みやと二人で話してる時間が好き。
みやと二人で馬鹿言ってる時間が好き。
みやそのものが大好き。
ねえ、みや?
今も俺は大好きだよ。みやはどう思ってるかわからないけどずっとずっと大好きだよ。
俺は部屋にテオくんがいることなんて気にせず静かに泣いた。
あぁ、また好きになってくれないかなぁ
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!