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第15話

14Q
それから数日、全くと言っていいほど関わらなかった私達。部活中も、気まずいままだった。

キャプテン
風見悪い、
ゼッケン確認してくれ
あなた

はい

キャプテンに言われて倉庫に向かったが、入部してからあまり日数が経っていなかったため、ゼッケンがどこにあるのかが分からない。


────うーん....困った.....
一ノ瀬 咲陽
ゼッケン、ここ
あなた

!!?

いきなり声がしたかと思うと、背中に暖かい温もりを感じた。

───え、
あなた

一ノ瀬、先輩....?

一ノ瀬 咲陽
場所分かんないかなって思って
久しぶりに間近で聞くその声に、指先まで緊張が走った。


あれ...? なんでこんな緊張してるの、私....


そのまま後ろから手をまわされ、さらに密着した状態で先輩は上の方にあるカゴに手を伸ばした。
一ノ瀬 咲陽
ん....しょ、っと
はい、これ
あなた

あ、ありがとう...ございます....

先輩は私にゼッケンを渡すと、すぐに倉庫から出ていった。私はさっきから胸の中に渦巻く不思議な感情に戸惑いながら、受け取ったゼッケンの確認をしていた。

あなた

....よし、全部ある

数分で確認を終え、私はそれを手にして倉庫から出た。コートの中ではキャプテンや一ノ瀬先輩達が5vs5の試合ゲームを行っていて、その横で太陽達1年生はひたすら往復ダッシュをしていた。


────なんか懐かしい、な...


私の脳裏には、中学の頃の光景がふわりと蘇っていた。


楽しかった日々、辛かった日々。


それらを一瞬にして奪われたあの日。


そして、はじめて、誰かにその事を話した日。


バスケから離れた私を、
引き戻すキッカケになった先輩の言葉。
コーチ
一ノ瀬ぇ!走れてねぇぞ!
一ノ瀬 咲陽
はいっ!
練習を少し眺めたあと、私はドリンクを作るためにボトルが置いてある所まで歩き出した。
男子バスケ部 部員 1
───!!
男子バスケ部 部員 2
───み!!
その時の私は、かなりボーッとしていたと思う。
だから、気が付かなかった。
先輩達の声にも、ボールにも。



バシッッッ


何かを叩いたような、大きな音。
目の前には、男らしい大きな手に止められた茶色いボール。

ボールが当たりそうだったのだと気付くのに、時間はかからなかった。
一ノ瀬 咲陽
───っぶねぇ....
あなた

せ、んぱ....

一ノ瀬 咲陽
あなたちゃん、大丈夫?
心配そうに下がった眉毛。

少し傾けられた整った顔。




────好き、かも...しんない....


胸の中に渦巻いていた感情が、ほんの少しだけ顔を見せた。