第21話

20Q
441
2018/11/04 15:56
あなた

あの、先輩...話って....?

先輩に連れられてきたのは前上級生に閉じ込められたグラウンドの倉庫前。勿論人影なんてなく、私と先輩の2人きり。
一ノ瀬 咲陽
あなたちゃんはさ、
太陽のこと好きなの?
あなた

....? 好きですけど....?

急になんの質問だ? と思いながらも、素直に答えた。すると、先輩は そーじゃなくて.... と苦笑いを浮かべた。


そーじゃないなら、どーなのさ....?
一ノ瀬 咲陽
恋愛のイミで、好きなのかってこと
あなた

.......

───考えたことなかった....


思わぬ意図の質問に、口をが半開きのまま固まってしまった。

恋愛的なイミで、好きな人....
あなた

ぇ....

一ノ瀬 咲陽
ん?
そのワードで浮かんできのは、


一ノ瀬先輩だった。
あなた

あ、と....太陽は別に....
ただの幼馴染みですし....

赤くなったであろう顔を誤魔化すように下を向いて、途切れながらも否定した。
一ノ瀬 咲陽
....じゃあ、ただの幼馴染みに
迫られてこんなに顔が赤くなるのは、
どうして?
私の顔に伸びてきた先輩の手が顎をつかんで、クイッと上に持ち上げた。
あなた

....っ!

意地悪しすぎたね.... なんて言いながら手を離してにこりと笑った先輩は、だけどすぐに真剣な顔になって言った。
一ノ瀬 咲陽
俺は、あなたちゃんが好き
太陽にとられたくない
あなた

別に、太陽は私のこと....
それに私、先輩に好かれるような
覚えないですし....

ほんとなんで....


初めてわれたときもそうだった。


なんで、私が好きなんだろう、って。


すると、先輩は頭の後ろをかきながら呟いた。
一ノ瀬 咲陽
やっぱ、覚えてないかぁ....
───んん....?

覚えてないって....何を───?

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