今日はついに地方大会。
私は緊張して、朝早くに目が覚めてしまった。
私が走ったところで試合に出るわけでもないのだが、じっとしていられなかった。
私はまだ薄暗く涼しい外に走り出した。
結構走ったな....ん?あれは────
一ノ瀬先輩....!?
な、何でこんな朝早くにこんなところに....
......
一緒だねぇ、なんて嬉しそうに言うもんだから、つい笑い返してしまった。
急にじーっと見つめられ、変に緊張してしまう。沈黙に焦って話題を探していると、先輩が勢いよくしゃがんだ。
いきなり出された大声にビックリして、肩がビクッと跳ねた。まばたきを繰り返しながら先輩を見たら、今度はいきなり立ち上がって....
抱き....つかれた....
───え? なんで、??
な、なにを───!?
驚きと恥ずかしさで声が出せず、変な汗がだらだらと流れる。
今、なんて───?
好き? すき?? SUKI!?
やけに自信ありげに言った先輩。
え。
───これで行けなかったら、どうすんの....?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。