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第10話

9Q
ああもう、最悪だ。


数分前、一緒に帰ろうと誘われた私は勿論断った。
筈なのに、私の視界にチラチラうつる茶髪。
一ノ瀬 咲陽
東くん、だっけ? 遅いなぁ、もう....

────じ ゃ あ 帰 れ ば ?


しゃがんで砂に石で何かを書いている様子の一ノ瀬先輩。
けどまぁ、確かに遅い....
あなた

遅いのが嫌なら帰れば──

一ノ瀬 咲陽
でーきたっ!
急に声をあげた先輩は、ちょいちょいと私の制服の裾を引っ張ってきた。言われた通り見てみれば、傘の左右に書かれた『さくひ』と『あなた』という名前。

おい、なんだこれは。
あなた

......

私はそれを無言で踏み潰した。
一ノ瀬 咲陽
ぬぁっ! ちょっ、
あなたちゃんっ!?
校内にいる生徒が少ないため静かな空間に、先輩の声だけが響いた。

はぁ....

太陽に連絡しようとスマホを取り出し、LINEのアイコンをタップして───
あなた

....な、何ですか、?

一ノ瀬 咲陽
......
私の手首を掴んだまま黙り込んだ先輩。

あ、れ....? 怒ってる....?
あなた

あ、あの... せんぱ──....っ!?

一ノ瀬 咲陽
なに?
あなた

な、何って....近...っ

いきなり引っ張られたと思えば急に抱きついてきた先輩に、思わず声が詰まる。が、すぐに立て直して押し返す。
一ノ瀬 咲陽
だーめ。もう怒った
ほどよく筋肉のついた体を力を込めて押し返すが、全く敵わずさらに距離を縮められてしまった。


こンの馬鹿力....!
一ノ瀬 咲陽
大人しくして.... ふぅ...
あなた

ぅひっ....!?

生暖かい風が耳を撫でた。
ゾクゾクとしたものが背中を伝い、思わず声が漏れる。
一ノ瀬 咲陽
ふふ、かーわい...
こ、これは....




───かなり、まずいっ....!