第6話

5Q
666
2018/10/25 14:25
女子生徒 1
ね、ねぇ...あの人って....
女子生徒 2
受け付けにいた....
「めっちゃかっこいい人だよね!!」
そう、私はバスケ部のマネージャーを断って以来、ことごとく付きまとわれているのだ。
誰にって? 決まっているだろう。 彼に。
一ノ瀬 咲陽
あなたちゃーん
いつの間にか名前を知られていた私は、出会う度に声をかけられている。
あなた

だから....

一ノ瀬 咲陽
マネやんないんでしょ?
分かったから取り敢えず見学だけでも
分かってないじゃんそれ....

そして、暇なのかと思うほど休みには毎時間教室に現れる。
一ノ瀬 咲陽
今日こそは....
あなた

嫌です!

そんなやりとりを繰り返す日々。

正直言って....
あなた

うざい....

東 太陽
もういっそ入っちまえば?
そんなに嫌なの?
確かに、入ってしまった方が楽なのかもしれない。
ただ、怖い。 あの頃の記憶が蘇ってきて、どうしても、踏みとどまってしまうのだ。
2年生 女 1
風見あなたさん、いる?
グラウンド側にいた私を呼んだのは、2年生らしき女子生徒2人だった。

だから嫌なんだ....

大体の事を察した上で、私は2人のもとへ歩いていった。
あなた

何ですか?

2年生 女 2
ここで話すのもなんだから、
向こう行きましょ?
そして連れられたのは校舎裏。

ほんと、定番すぎて逆に笑えてくる。
2年生 女 1
何で呼ばれたかは分かってるよね?
黙り続けていると、しびれを切らした2人がついに本性を表した。私の胸ぐらを掴んで壁に押し付け、唸るような低い声をだした。
2年生 女 1
咲陽のことどうやって
たぶらかしたわけ?
あなた

....別にたぶらかしてないです

2年生 女 2
アンタみたいな子ザルが
咲陽に相手されるなんておかしい!
怒鳴り声をあげ、それと同時に耳には甲高い乾いた音が届いた。時間差でジンジンと痛みだした右頬。
叩かれた、と気付くのに、数秒かかった。
2年生 女 2
アハハハ!
そのままずるずる引っ張られ、もう使われていないのか古びた倉庫に押し込まれた。
あなた

痛っ...ちょ、流石にこれは....!

2年生 女 1
咲陽が飽きるまでそこにいたら?
そのままガラガラと思い扉が閉められたあと、チェーンの音とガチャリという南京錠が閉まった音がした。

うそ.... 流石にこれはやり過ぎ....

一ノ瀬 咲陽
え?あなたちゃん?
あなた

......

────な  に  し  と  ん  ね  ん

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