第40話

番外編 もう一度のキセキを
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2022/07/06 22:00
七夕特別編,少しネタバレに触れるところがあります。
まぁ,何処とは言いませんが,
赤side
黒君
なぁ,赤。
俺が欠伸をしていると,黒くんが,
どうしたの?黒くん,
黒君
あそこに行かないか?今日は七夕だろ?
ああ,そうだね,いいよ,行こうか。
と言ってくれたので俺は空を飛んだ,
5年ぶりかな,希望ヶ丘。
俺は希望ヶ丘に来ていた。そこにある岩に腰を掛けて,少し目を閉じた。
『赤くん,』
『寝てるな』
『こいつ,すやすやと』
『僕たち来たのにね』
『いいじゃないですか,漸く心の傷も癒えたんでしょうし。』
水君
やっぱり,来てたんだね,みんな。
『うわっ,水くん。』
『バレてたんか!?』
『何となく起きていると思ったけど、』
『赤君は?寝てるの?』
『赤は,無理していたんですよね?やっぱり』
水君
まぁね,でも,みんなが来ているのは知ってるよ。まだ決められないんだって。
『そっか,そんなに追い詰めないで欲しいのにね。』
『せやな,俺らが望んだことなのにな。』
『でも,それは赤を苦しめてたのも事実だしな、』
『ちょっとだけ苦しいよね。』
『はい,何もしてやれないのが本当に嫌でたまりません、』
水君
赤兄は,ただ,みんなといきたかったんだよ。
桃ちゃん
だからこそ,あの時,赤兄は行ったんだよ。
『うわっ,桃ちゃん,水くんといつの間に交代したの?』
『突然でびっくりしたで』
『変わるなら何か合図をくれよ。』
『そうそう,心臓に悪いし』
『でも,会えて嬉しいです,お久しぶりです。』
桃ちゃん
お久しぶり,赤兄はね,みんなが今も大好きって言ってるよ。
『そっか,俺もだよ』
『紫くん,俺達やろ?』
『そうだそうだ』
『いっつも,僕達入れ忘れるんだから、』
『全く,紫君らしいと言ったらそれまでですけど。』
桃ちゃん
そう,じゃあ,次代わるね。
黄紫君
久しぶりっすね。みんな。
『黄紫君!久しぶり!』
『相変わらずやな』
『紫くんは,黄紫君が好きだな。』
『普段見せない顔してるよ。』
『落ち着いてくださいよ。』
黄紫君
とりあえず,赤君が表に出ようと思うまで俺っち達が相手をするっス。
[そうしなくてもいいよ]
黄紫君
[赤君!?聞こえてたんすか!?]
[まぁね,ずっと話しているの聞こえていたからこの岩に座ったんだから]
黄紫君
[全て赤くんの手のひらの上だったんすね。]
[よせやい]
俺は,今までの会話を全部聞いていた。

何だったら紫くん達の魂が希望ヶ丘に来ていたのは知っていた

でも合わせる顔がなくて,眠ってみんなに任せた。
黄紫君
[じゃあ,代わるっすね。]
[うん],,,,,,,ふふっ。
『黄紫くん?』
『どうしたんや?黙り込んで?』
『もしかして,赤か?』
『たしかに,この気配は。』
『赤ですね,さては全部聞いていたんですか?』
悪い?久しぶりだね。
『,,,そう,,,だね。』
『久しぶり,,になるか』
『もう,,,5年か。』
『もう,そんな過ぎた?』
『やっぱり,,笑顔でいるのも無理ありますか?』
まぁね,辛いよ。こうして見るのが。
俺が見ているのは,魂としてフヨフヨ浮いているみんなだった。

しかもみんな衣服が血まみれのままで,
俺がこうした元凶だからかな。
『だから,あれは赤くんの所為じゃないよ。』
いや,俺の所為だよ。
『俺たちが気にすんなと言っても、どうせ聞かんのやろ?』
うん,俺が悪いのは分かっているしね。
『だから,それが間違いなんだって』
間違いじゃない,間違いじゃないよ。俺が居たから、
『赤,今は何も考えないで僕たちの側に来てくれませんか?』
?うん,分かった。
俺は黄君に呼ばれて体を近づけた。
『赤,僕たちの呪い(死)から解放されてください。』
『もう,勝手に進めて,でも俺もそう思うよ。』
『俺もや,』
『俺も,』
『僕もだよ』
するとみんな俺に抱きついてきた。

魂の筈なのに,生きているように暖かい。
,,ぽろっ、、、あれ?何で?
気づいた時には俺の頬に目で抑えきれない涙が流れていた。
『いいんですよ,もう解放されて。』
『俺たちから、もう解放されてね?』
『そうや、もうな,無理する必要ないんや。』
『俺たちという呪いから,』
『もう,解放されて?』
解放?
俺は気付いたら心の中にあった重荷が降りた感覚があった。
『,,ニコッ』
『これで,もう,大丈夫やな。』
『俺たちがこうすれば赤が解放されるの教えて欲しかったな。』
『全くだよ,あの馬鹿神。』
『ちょっと,言わないでくださいよ,』
どうやらみんな,俺を助ける為に,神様に聞いてきたようだった。
あっ,そう言えば,今日は七夕だったね。
『そうだったね。』
『幽霊になると』
『時差があるんだよな』
『そうそう,昨日が今日みたいな』
『でも,赤が僕たちみたいな目に遭わなかったのは不幸中の幸いですね。』
でも俺だって,今はもう幽霊みたいな存在だよ?
『そうだね,でもいつかまた逢える気がする。』
『俺もや,勘やないで?』
『これは未来だな,絶対来る』
『僕もそんな気がするよ。』
『僕もです。』
またいつの日か,じゃあ俺はそれまで楽しみに待っているよ。長い時を経てもね。
『そうだね,赤君には重荷をまた持たせちゃうね。』
『すまんな』
『こうしてハグをしてあげられないの悲しいな』
『そうだね』
『でも,もしまた逢える時は体が有ると思います。未来ですから』
じゃあ,お星様に願おう?彦星様と織姫様のことを思い,俺たちの願いを。
『そうだね』
『ええな』
『俺も賛成』
『僕も』
『僕もです』
そう言って俺たちは満点の夜空を見上げた。

流れ星が流れて俺たちは手を合わせて、3回

((((((またもう一度,キセキでいいから赤君(みんな)と会わせてください))))))

そう願った,その時星が綺麗に落ちていったのを見た。
『じゃあ,そろそろ俺たちは帰るよ。』
『せやな,今後のこともあるし』
『また,赤を1人にさせるのは気がひけるけど、』
『じゃあね,赤君』
『また,いつの日かあいましょうね!』
うん,またいつの日か。
[[[[[[逢えることを願います。織姫様と彦星様のように]]]]]]
ここまでです,次回からはまた本編に戻ります。

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