次の現場の前にお昼ご飯を求めて街を散歩していたら、江口さんが居た。だから話しかけたらこの反応である。
スタスタ
スタスタスタ
この時前をしっかり見なかった。確かに信号は青だったことを確認して、後ろを向いて歩いていた
キィー!!!!!!!
急ブレーキの音がする。トラックだ。私の方に向かって走ってきている。
江口さんの顔が見えた。その場に自分の荷物を落としている。そんなに驚くかな?後輩が引かれたぐらい…いや、驚くか
もう、死ぬんだし。そう重い目をつぶる。痛いかな?痛いのは嫌だな
え…?
ドンッ!!!!!
トラックに飛ばされたはずの私の体は歩道側に下手くそに座り込んでいる。その変わり目の前には、無惨にトラックに飛ばされた江口さんがいた。
''救急車!!救急車呼べ!!''
救急車のサイレンが聞こえる
意識のない細くて大きな体を必死に支える。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!