慎太郎side
救急車を呼んでから来るまで
あなたが過呼吸になっていた
『ハァハァ……ハァハァハァハァ……くっ……くるしい……』
森「あなた、大丈夫だよ……」
血が止まらない傷口をタオルで抑えている
あなたの前にしゃがみ頭を撫でた
『ッグ……ハァハァ……ハァハァ…………コクン』
涙目で俺を見てうなづくあなた
ーピンポンー
インターフォンがなった
森「救急車が来たみたいだから玄関行ってくるよ!!」
慌てて玄関へ向かう
ガチャ……
救急「救急隊のものです!あなたがお電話してもらった森本さんですか!!」
森「はい!」
救「あなたの彼女さんが手首を切ったの?!」
ドキッ……/////
救急隊の人にあなたを彼女と
言われ鼓動が高鳴る
森「あっ、はい!そうです。」
わざわざ訂正するのもめんどくさいので
話をそのまま続ける
救「中にいるのね?入りますよ!!」
森「お願いします。」
そう言って救急隊の人を案内する
タッタタタタ…………タッタタ
森「あなた!!救急隊の人が来たから!!」
まだ過呼吸をしながら泣いてるあなた
救「お名前言えますか?!」
『ハァハァ……ハァハァ……山田あなたでぇす……ハァハ』
何とか声を絞るあなた
救「山田さんね!!傷口見してもらえる?!」
あなたが腕を差し出す
救「……大丈夫だよ!病院行こうね」
傷口から皮膚の下の肉が見えていて少し
気分が悪くなってしまった
救「いまから病院行きますが、付き添い大丈夫でしょうか??」
そう救急隊の人から聞かれる
森「はい!大丈夫です。」
救「なら山田さんを下まで私たちが連れていくので準備出来たら降りてきてください。」
森「わかりました!!」
そう告げると救急隊の人が
あなたに話かける
救「山田さん!傷の応急処置したから下まで歩けるかな?」
『……コクン。』
少し落ち着いたあなたがうなずく
救「なら行こうか」
あなたが立ち玄関まで誘導されるが
『ウゥウウ…………アアーアー……ウゥウウ……グスッ……』
また取り乱してしまうあなた
玄関でしゃがみこんでしまう
救「どうしたの??」
『ウゥウウ……だっ、だって慎太郎に迷惑かけちゃう!!』
救「彼の事かな??」
『ウゥウウ……コクン』
泣きながらうなづくあなた
救「今山田さんがここから動かない方が迷惑だと思うよ……だから一緒に病院行きましょ」
『ウアーン……ウゥウウ…………いっ、いきますぅ』
救急隊の人の声掛けであなたの
思考が変わる
森「俺何も出来てないなぁ……」
遠くから見ているだけで何も出来てない
自分が悔しかった
………………………………♡
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。