モヤ「させませんよ」
1-A「!!!!!」
モヤ「初めまして、我々はヴィラン連合僭越ながら...
この度ヒーローの巣窟、
雄英高校に入らせて頂いたのは...」
その言葉の続きにますます嫌な予感がして、私はゴクリと唾を飲み込む。
モヤ「平和の象徴オールマイトに息絶えて頂きたいと思ってのことでして」
そこまで言って黒いモヤは私たちを包み込むようにグワッと大きく広がった。
...が、私のすぐ目前に勝己くんと鋭児郎くんが現れ、黒いモヤに攻撃を仕掛ける。
鋭児郎「その前に俺たちにやられる事は考えてなかったか!?」
モヤ「危ない危ない......そう...生徒といえど優秀な金の卵」
....................ん?危ない?
全身モヤの攻撃無効ならそんなはずは.......
私が黒いモヤの「危ない」発言にどこか引っかかり考えていると、頭上を何かに覆われ影になるのに気付いた。
『.........ッッッみんな!!!!!!!』
黒いモヤに覆われた事を頭で理解してから一瞬のうちに1-Aの皆は散り散りになってモヤに包まれ消えていってしまう。
(まさか....私たちを散り散りにさせて各所で消すのか...!?)
ヴィランの画策が何なのかを思惑しながら私は咄嗟に両腕で顔を覆い保身の態勢を取る。
少ししてシンと静かになり光を感じたので、そっと両腕を顔から下ろし、辺りを見回す。
『......みんな!怪我はない?!大丈夫!?!?』
天哉「皆はいるか!?確認できるか!?」
障子「散り散りにはなっているがこの施設内にいる。」
13号「...........!!」
何故か私は13号先生、そして数人のクラスメイトと共にその場に残っていた。
残ったメンバーは、私含めて13号先生、
天哉くん、障子くん、砂糖くん、お茶子ちゃん、三奈ちゃん、
あとはコスチュームのせいで顔が分からない誰か←、の8人。
13号「.........委員長!」
天哉「は!!」
緊急事態に見舞われるなか、突然の名指しに天哉くんは驚きながらも力強く返事をした。
13号「君に託します、学校まで駆けてこの事を伝えてください!」
天哉「しかしクラスを置いていくなど委員長の風上にも.....((
『今の状況は!?風なんて気にしてる場合じゃない!』
誰か「外に出られりゃ追っちゃこれねぇよ!!
お前の脚でモヤを振り切れ!!」
13号「救うために"個性"を使って下さい!!」
それでも天哉くんは苦しそうな表情を浮かべて、その場に踏みとどまったままでいた。
『........ッお願い天哉くん!!走って!後ろから個性使って援護するから!!....個性_______"増強"!!!』
もう時間との勝負なので私は天哉くんの背中をドンっと強く押した。
そして私に背中を押された天哉くんはつんのめったかと思ったら個性を使い、そのまま勢いよく入口へ真っ直ぐ走って行く。
私が天哉くんの個性をその名の通り増強させた事で、彼の個性は身体測定時より大幅にスピードアップしたが、
彼の行く先に黒いモヤが立ちはだかった。
『_______ッお茶子ちゃん!!!!!』
お茶子「任しといてあなたちゃん!!」
するとお茶子ちゃんは黒いモヤから覗く唯一の物体にタッチし、個性で遠くへ投げ飛ばす。
誰か「行けぇぇええええ!!!」
顔の分からない1-A男子がお茶子ちゃんと協力し、肘からテープのようなものを出して黒いモヤを引っ張る。
天哉「............っ!!!」
そして天哉くんは皆の協力によって無事に入り口の扉から姿を消していった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。