第117話

終わりにしよう。
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2021/03/22 12:07











あなたside








言った…………ついに言ってしまった………。



もう、後戻りなんてできない。


 

さぁ、終わせよう。




さよなら…。私の大切だった人────



センラ
センラ
な、んで?なんで話しちゃあかんの…?


そんな困らないでよ…。悲しそうな顔しないでよ…。


忘れらんなくなるじゃん。




そんな顔をするのは私を少しでも意識してくれてたから?



そうやって期待してしまう自分が本当に嫌だ。


勘違いバカなんだよ。



勝手に勘違いして、結局は…「ただの気のせいでした」なんてことになるんでしょ。


私がセンラに"想う"気持ちと……センラが私に"思う"気持ちは違うんでしょ?




ねぇ、センラ………



私を否定して…突き放してよ。



もう二度と顔なんて見たくないって言って。



私が…センラなんて大嫌いって心の底から思えるように突き放して。


あなた
あなた
センラは…大切にしな、いといけない人がたくさんいる、じゃん…。


バカ。泣くな。堪えろ。


そう心の中で強く叱っても…相反して涙が視界を滲ませる。


センラ
センラ
でも…!あなたやって、大切やし…!!
こんな俺と仲良くしてくれとったやん…
それなんに…なんで話しちゃあかんの!?
あなた
あなた
大切なんて…言わないでっ!!
センラ
センラ
ビクッ!!



思わず声を荒げてしまった。


はっとして慌てて『ごめん…』と謝る。



でも…大切なんて言われたら………





また期待しちゃうんだよ。


やめて。もう…やめてよ。

あなた
あなた
この前、ファンの子と色々あったじゃん…。
それでも…まだ私と一緒にいるつもりなの?
センラ
センラ
別に俺が誰といようと俺の勝手やん…!
そこまでファンに縛られなあかんの!?
あなた
あなた
違うでしょ!!
センラ
センラ
なにがちゃうんや!!


私につられてか、いつもは温厚なセンラも強い口調で反論してくる。



違う…。違うじゃん。


あなた
あなた
歌い手やってて…ファンを大切にしてるのは
センラだけじゃないでしょ………?
センラは…誰と活動してるの……?
センラ
センラ
っ…………そ、れは…
あなた
あなた
うらたさん志麻さん、坂田もいるんだよ…
その三人にも…迷惑をかけることになる。
センラ
センラ
や、でも…!今は歌い手としてのセンラやなくて…一般人の…あなたの知ってるセンラや…
あなた
あなた
うん…。それは…私は分かってるよ……。
じゃあ、ファンには…?何も知らないファンにはどう見えると思ってるの?


『何も言い返せない…』そんな顔したセンラ。


ごめん、そこまで責めるつもりで言ったわけじゃないんだよ。


でも…ここで私が弱気になってしまったら本当に離れられなくなる。


そして…センラだけじゃなくあの三人にも迷惑がかかる。



センラ
センラ
俺は……あなたと一緒にいたいんや…
あなた
あなた
………え?そ、それって…どういう…こ、と…



なに?どういうことなの?



それは………その言葉に続く言葉は………



私が望んでいたような言葉なの?



もし………本当にそうだったら…いいのかな……。


 

センラと………一緒にいられるの…?





センラ
センラ
俺は……俺は…!!あなたの、事が…








それって………本当に……………いいのかな……。















─────────
はい、切ります。←嫌な奴
次回をお楽しみに………。

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