あなたside
はぁ…。寒いなぁ………。
マフラーや手袋…コートにもこもこの服…。
あれ?冬ってこんな寒かった…………?
そう思っていたのは………前までの自分。
でも…今は……………なんだか暖かく感じる。
不思議だなぁー。
なんて思いながら歌い手の曲を聞き流す。
やっぱり最高だ………!
と、横から痛いくらいの視線を感じる。
なになになに………!?
その方向を向いてみればセンラがジーッと見ていた。
犯人はコイツか。
なんだろう。
そう聞いてみればセンラは
『別に』とはぐらかす…。
え?マジで何だったの……………。
その後もジーッと見てくるからまた聞いてみれば…
ただ単に、『なんの曲を聞いているのか』
それだけだった。
私の聞いている曲なんて、別に知ったところで何にもならないだろうに。
センラって変わってるなぁ…
私の中のセンラのイメージに『変わってる』が追加された瞬間だった。
とりあえず気になっているみたいだから、
『聞く?』
と言えば、静かな街に響くような元気のいい返事をした。
小学生か。
そんな所も………
そう思いかけたが、
何も思ってない─────
否定し、思い直した。
やはり、夜というだけあって少し眠い。
完全防寒なため、温かいから余計に眠気が…………
うとうとしていたら、センラがペシッと肩を叩いた。
あ、やばい。変な言葉が出た。
すると、隣からふっと笑う声がした。
眠さで目は結構細くなっているだろう。
その目を思いっきりつり上げて睨む。
センラは一瞬固まって、そして、
そう言って苦笑いをしていた。
それがなんだかおかしくて、ついつい笑ってしまった。
他愛もない話をしながら歩いていたら…
いつの間にか公園に着いていた。
移動時間も退屈じゃなかったのは…
センラがいたからかもしれない。
段々と浮き上がってくる気持ちをまた……
深い深い底なし沼へと沈めた。
─────────
新曲が投稿されていて舞い上がっていたら、更新忘れかけてました。夜にすみません。
あ、閲覧が1500を超えました。ありがとうございます。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。