第56話

たまに見せるその笑顔。
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2021/01/05 00:10



センラside







坂田とはついさっき別れたばかり。

てか、あの元気さはどこからか湧いているんだ…


坂田は『じゃあ、また後でなー!』って言って猛ダッシュで教室へと消えていった…。



正直、めっちゃビビった……。

センラ
センラ
これが部活をやってる奴とやってない奴の差というのか……?


なんか悔しい…←


なんて勝手な事を思って歩く。

センラ
センラ
(ん?なんか今日はやけに静かやな…)

気のせいか…?

教室のドアのところまで行くと、中にはあなたが一人でいた。

センラ
センラ
(え…!?ちょやばい…二人とか嬉しい……)


って…一人ではしゃいで挙動不審すぎるな…。


なんてバカなことをしてたら…




『はぁ……』



ため息らしき…いや、ため息が聞こえた。


それもかなり大きめの…。

センラ
センラ
(いつも感情読み取りにくいから分からんけど…なんかあったんかな…)


俺がここにいることは多分バレてないだろうし…


かと言って教室には誰もいない……。



誰もいないからと思ってしたため息なのだろう。




そうやって一人で抱え込むんか………。


毎日毎日…自分の感情を抑えているのかもしれない…


疲れてるんやな………。

センラ
センラ
(なにかしてあげたい…)


またしても勝手なことを…。

もしかしたら違うかもしれないのに………



でも…。どっちにしてもあなたは疲れていると思う。


責任も全て自分で抱え込む。


前もそうやったのに………。




それがずっとなんやったら…。

センラ
センラ
(相当な精神やな……。)


なかなかのメンタルの持ち主だろう。


でも………。もしかしたら……



もうとっくに心が壊れていて……

あなた自身も気づかないくらい手遅れなのかもしれない…。



考えすぎ…思い違い…勘違い……


そんな単語が次々に浮かんでくる……。

それと同時に浮かんでくるのがあなたの顔。


その顔はたまに見せる可愛い笑顔ではなく……


        『無表情な顔』



それでいて…少し悲しそうなんだ………。





俺にできることってなんかあるんかな………。

たとえ思い違いだとしても……。


笑っていたほうが絶対楽しい。


その無表情も笑顔にさせたい………。


君の為………そして…ちょこっと俺の為でもある。



可愛い顔見たいもんね〜(((

センラ
センラ
(よしっ!行こう!頑張れ俺!)


『ため息つくと幸せが逃げる』


そう言えば、あなたは一瞬、ゴミを見るような目で見てきた………。


でも、すぐにその瞳には暖かさが宿った。



わざとツッコまれるように『朝はおはようや』って言ったら案の定。


笑ってくれた…。


その笑顔をほんとは独り占めしたい…。
 
しかし、まだ彼氏とかでもないのにそんなことよりはできない。

小さな疑問…というか嫉妬のようなものがこみ上げた。






『他の男の前でもその笑顔を見せてるんですか?』






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最近、投稿する時間帯が遅くなってしまい申しわけございません。これと言った事情はないんですけどね……(((すみません。

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