第51話

一人だけの朝。
171
2020/12/30 23:25



あなたside







チュンチュン……………


そんな小鳥のさえずりで目を覚ます…。

あなた
あなた
ん…。朝…か…


いつもより重く感じるまぶたを開ければ目には太陽の鋭い日差しが入り込む…



眩しいな…。


カーテンを閉めてもう少し寝てしまおうか……

あなた
あなた
………。やめとこ…。そのまま起きないかも。


いっその事………一生…目が覚めなければ…。


なーんて。何を考えてんだか…。



そんな事を…あるわけ無いから…。


仕方ない…起きよう…。



スマホの電源を入れて時間を確認してみれば、家を出る30分前。


やべ。寝すぎたか。

あなた
あなた
朝ごはん…。あー。作れないって……。

洗濯……あー。溜まっていくパターンだよ←

掃除…は、してる暇ないからね。うん。大丈夫(((
 
あなた
あなた
あれ、カバン無い…。どこ置いたっけ。

あれー。昨日……どこに…
あなた
あなた
あ。玄関…?

なんとなくの昨日の記憶を頼りに探せば、玄関という容疑者が浮上。


あれ、玄関って容疑者になるん?←



足取りは重いが亀のようにのそのそ歩く。

あなた
あなた
お。発見ー。やったね。
  
なんとなくここにある気はしてたのよね。←



さて、準備しなきゃね。

あなた
あなた
あー時間なくなるわ…。朝ごはん…いいや。

お昼あるし…。

コンビニで買ってこうかな。


そういえば…あのコンビニ新作のパンあったな。


ついでにお菓子も…。

あなた
あなた
よしっ。行こう。

ここまではなんとなく変わらない気がした。


でも………。




ガチャ……

あなた
あなた
いってき……ま…………す……


あぁ…。返事はないのに……。


いつもと変わらないのに。



なんでだろう……。


閉まりかけのドアの隙間から覗いた部屋がひどく暗く見えた。
あなた
あなた
…………。はぁ。

気にしちゃダメだ。


いつまでも引きずらないことが大事だ………。


大丈夫……。


きっと慣れるから……そのうち…慣れるから……



きっと………大丈夫……だから…



片手で頬をペチッと叩いて気を取り直した。



こういう時こそ元気で振る舞わなきゃね…。



無駄に元気にしていないと…そうじゃないと…




泣きそうなんだよ…………



ダメになりそうなの………

あなた
あなた
っ……………。ふぅ………。
行き場をなくした感情を無理やりため息と共に吐き出した。


それでも…まだ心には残っている。



視界が一瞬…滲んで見えた…


そんなことは無視していつも以上にポーカーフェイスに気を使おうと思った。






気を紛らわすためにイヤホンをして歌い手の曲で頭を埋め尽くした。


途中………少し寒いかもなんて感じたが、それもすぐに曲によってかき消された。






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今日は大晦日ということで、あと1話更新いたします。

そして明日、1日は『お知らせ』から入らせていただきます。新しい小説ではないんです…すみません。

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