椿(なんだよ、これ…)
横アリ公演から1週間以上がたち、あと少しで広島公演というタイミングに、とあるニュース記事が送られてきた。
『TOBE所属のIMP.のメンバー、松井奏・鈴木大河 特別な関係か?』
という見出しが書かれていた。そこには、関係者からのタレコミ、として「2人は恋人関係です。先日も、2人で手を繋いでデートしてそのまま鈴木さんの家に2人で帰っているところを見ました」という証言が書かれていた。
送られてきたのは記事のURLだけじゃなかった。
影山「みんな、今日の夜暇だよな?集まって話そう。」
リーダーの呼びかけで、俺たちは事務所の一室に集まることとなった。
明らかに怒っている影と、今にも泣きそうな奏、そんな奏の背中をさすり続ける大河。その横で険しい顔をして座っているよこもと、その隣で困った顔をしている新。
俺らの間には、重い空気が漂っていた。
影山「この2人が付き合ってるって漏らしたヤツ、誰」
『…。』
影山「いねぇのかよ」
基「いない…でしょ、普通に考えて」
影山「じゃあ、あの記事の関係者って誰だよ」
基「それは知らないけど…」
グループ想い、メンバー想いの影だから、今回のことは許せないんだろう。こんなに怒っている影を見たのは久しぶりだった。
奏「みんな、ごめん…」
影山「なんで奏が謝るんだよ」
大河「俺からもごめん。やっぱり、こんな関係になるべきじゃなかった…」
影山「何ふざけたこと言ってんだよ!」
基「タク」
影山「…ごめん、怒っても良いことないよな」
分かりやすく落ち込む影。そしてまた黙り込む俺たち。そんな空気を断ち切ったのは、新だった。
新「絶対に別れちゃダメだよ」
基「新…」
新「2人が幸せじゃないと絶対にダメ」
奏「でも、」
新「絶対に2人の味方だよ、俺。」
大河「新…」
椿「新の言う通りだね」
影山「まずはこの関係者を探し出して問い詰めようぜ」
横原「かわいいかわいい弟のために働きますかぁ〜…」
基「あはは、なんからしくないこと言ってるよ笑」
奏「みんなっ、」
ついに泣いてしまった奏をみんなで囲む。
影山「俺らはずっと味方だから。何かあったらなんでも言えよな」
大河「ありがとう」
この日から、あの記事に登場する関係者探しが始まった。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。