「お母さ〜ん、来たよ〜
体調はどう?」
「うん、大丈夫。」
「良かった」
私の帰る場所が病院になってしまったのは、
かれこれ一年前。
薬をひたすら打って、
安静に過ごしているだけの生活。
別に誰も何も言わないけど、
おそらく、長くは無い。
娘は、高校生。
息子は、大学生。
まだもう少しいてあげたいけど、難しそうだ。
まあ、もうほぼ大人の2人なら、ちゃんと生きていけるだろう。
そろそろ、旦那に会いに行ってもいいかもしれない。
5年も前に、先にいってしまった、彼の元へ。
ただ、その前に…
どうしても1つ、やりたい事がある。
それは…
__初恋の人を見に行くことだ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。