第2話

名も無き関係。
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2018/05/13 01:45
髪の毛をきれいにストレートでまとめ、




あまり派手にならないようリップをひき、




しわが無いことを確認した制服を着る。









「行ってきまーす」



高校生になったお祝いでお兄ちゃんが買ってくれた、腕時計がさすのは、


8時30分。








___ガチャ



玄関のドアを開けると…




向かいの家から出て来る、同じ制服を着た男の子。















「おはよう。」

「おはよ」



完璧に朝の支度をしてきた私とは対称的に、
寝癖をつけて出て来た、樹(いつき)。



当たり前のように同じ学校へ通う。




産まれた時からずっと、

私たちは隣にいた。











幼馴染だ。





でも、



「幼馴染って言いにくくね?」

「そう?」

「な、が多過ぎる。

おさなななじみ…」



「1個多い。」


「だから、難しいんだって。」






とか言われると、



じゃあ私たちの関係って?


血が繋がってないから、もちろん家族じゃない。




友達とも言えない。
一緒にいる時間が長すぎる。



恋人なんてもってのほか。
好きだと思ったことが1度もない。






私たちは…













_____名も無き関係。

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