連れて行かれたのは、
大きなショッピングモール。
「誕生日、今週だろ。」
「あ〜、うん。」
「毎年困るんだよ、だから今年はもう連れて行こうと思って。」
「そういうこと」
毎年、必死に迷ってたんだ〜
なんて去年と一昨年と…もらったプレゼントを思い返す。
なんか、ウケる。
「何笑ってんだよ」
「別に〜」
さあ、何を買ってもらおうか?
服やバッグ、メイク道具に…
ちょっとお高いチョコレート。
何がいいかなぁ〜
「無理!決められない!!」
「じゃあナシでいいな」
「それは嫌!」
「じゃあどうするんだよ、」
悩んだ挙句、私は2着のワンピースを選んだ。
「どっちがいいと思う?」
「どっちでもいいと思う」
「それ禁止!」
「じゃあこっち」
即答で右手に持っていた、水色のワンピースを選んだ樹。
「適当か。」
「いや、こっちがいい」
こんなに真面目に返答が帰ってくるとも思わず、少しびっくりした。
…めずらしい。
そこまで言うのなら…
私は結局、水色のワンピースを買ってもらった。
「ありがとう」
「どういたしまして」
「いやぁ〜いい物をもらった!」
「お返し期待してる。」
「はーい」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。