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第1話

プロローグ
76
2018/05/12 10:08
毎日、ふら〜っと。


行く宛もなく、ふら〜っと。


ただただぼーっと。








どこかで何かを探しながら。







ただただ時間が流れていくのを感じるだけの日々。












…雨が降ってきた。


どこかで雨宿りがしたい。









迷い込んだのは…



どん底の暗闇に落ちていた、とある家族が住む家の庭だった。








空が曇り、電気を付けても良い暗さなのに、その家は真っ暗で。




母親は座り込んで涙が枯れ、

息子はそんな母親を慰め、

娘はそんな光景を呆然とながめていた。




黒と白の服に身を固めた、家族。








そんな家族と一緒に暮らすようになって5年。

















未だに僕をオスだと気付かず “みい” と

明らかにメスの名前をつけられた

僕は…












この家の愛猫だ。

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