毎日、ふら〜っと。
行く宛もなく、ふら〜っと。
ただただぼーっと。
どこかで何かを探しながら。
ただただ時間が流れていくのを感じるだけの日々。
…雨が降ってきた。
どこかで雨宿りがしたい。
迷い込んだのは…
どん底の暗闇に落ちていた、とある家族が住む家の庭だった。
空が曇り、電気を付けても良い暗さなのに、その家は真っ暗で。
母親は座り込んで涙が枯れ、
息子はそんな母親を慰め、
娘はそんな光景を呆然とながめていた。
黒と白の服に身を固めた、家族。
そんな家族と一緒に暮らすようになって5年。
未だに僕をオスだと気付かず “みい” と
明らかにメスの名前をつけられた
僕は…
この家の愛猫だ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。