うちの家族は、どこにでもいる普通の家族。
ただ…
娘は、名も無き関係に。
息子は、先輩の彼氏という枠に。
母親は、初恋という運命に。
恋をしていた。
僕は、そんな家族に恋をしている。
早くに離れ離れになってしまった家族に。
こうやって出会えたのは、その恋心が少し通じたからだろうか…?
誰もがみんな抱える恋愛事情に、
幸せが付き物かは、分からない。
それでも僕は、
「みゃ〜〜」
と、この家にお別れを言って、
離れることにする。
僕が出会ったどこにでもいる普通の家族。
彼らとの出会いは、
暗闇のどん底に落ちた日だった。
彼らとの別れの日は…
恋愛事情が綺麗に、音楽になって…
鳴り響いていった日だった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。