神ちゃんも、しげも、照史君までも泣いてて、みんなが笑って慰めていた時、「あんな・・」と口を開いた。
淳太君が僕の方を見る。
僕の言葉に、さっきと同じようにみんなが「え!?」と声を出した。
でも、その中でしげだけ、驚きもせず僕を見てた。
それは、唯一しげにだけ僕が病気であることを明かしたから。
オレも、しげと同じように話した。
学校には行けない日もあること。
過呼吸や高熱、体が動かなくなってしまったりすること。
将来は、車いすになってしまうかもしれないこと。
話しながら、しげの気持ちが痛いほどに分かった。
さっきまで、しげの言ってることに多少苛立ちを感じてたのに。
こんな僕がおったら、みんなの夢を壊してしまう。
そう思うのは、もしかしたら当然なのかもしれない。
ふいにしげがそう言って、え?と顔を上げる。
そんな言葉に、僕も含め戸惑いまくりのみんな。
しげに促されて、神ちゃんは「言わなあかん?」と言いつつもみんなを見た。
そう言う神ちゃんに、しげが肩をポンッと叩いた。
何故か軽い言い合いになった2人に、照史君が「はいはい!二人とも頑張ってます!」と笑って収めた。
淳太君が僕ら3人の肩を叩く。
しげと声が重なって、顔を合わせて笑った。
そう言われながら、全員で笑う。
みんなの笑い声が心地よくて、
それぞれの笑顔見て、僕も笑顔になった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。