第9話

流星side
1,917
2018/02/13 15:23
望と仲良くなったきっかけって何やろう。


望と別れて1人になった帰り道、川に映る夕日を眺めながらふとそんなことを考えた。


レッスンでたまたま隣におった望は、年の割に大人っぽくて、背がでかかった。

まぁ、第一印象と言えばそれやな。



ダンスが上手かったから、休憩のときに声をかけてみた。
「ダンス上手いな」って。
そしたら「ほんまに!?」って目をキラキラ輝かせて喜んでた。


そんな望を見た瞬間から、多分僕は望に惹かれてた。


純粋で、素直で、まっすぐで、

この人とならもしかしたら何でも話せるかもしれへん。

根拠は何もなかったけどそう思った。




望とおっても他愛のない話ばっかりやけど、すごく居心地が良いんや。





理由なんてきっとない。


学校で友達になる人が、ただ隣の席だったから、とか、ただ部活が一緒だったから、とか
そんな理由と一緒やと思う。




でも不思議と落ち着く望の存在は、もう僕にはなくてはならないものなんや。





って

オレらしくないよな、こんなこと考えるのんて。



ちょっと恥ずかしくなって、石ころを軽く遠くに蹴った。





でも、

明日も楽しみや。




そう思う自分の口元は自然と緩んでた。

プリ小説オーディオドラマ