レッスンから帰って、自分の部屋でダンスの練習をしてた。
・・・してたけど、
10分もしてたらしんどくなってその場に座り込んだ。
レッスン1日やってからのダンスはアカンわ。
僕は昔っから体力がない。
小さい時から僕がすぐに疲れて動けなくなってしまうのを見て、先生も、周りの大人も、時には両親も、僕が怠けてるって思ってたみたい。
幼稚園の先生はそんな僕を強くならせようと、ダンスを習うことを親に勧めた。
本当にきつくて、やめたいと思ったことは何度もあった。
でも、ダンスは好きだった。
もっと上手くなりたいと思ったし、
将来はダンスができる仕事をしたいとも思った。
でも、体力がないことに変わりはない。
自分でもそのことが分からなくなって、ダンスや運動をしすぎて倒れてしまうこともあったから、
僕は怠けてるんとちゃう。
本当に、人と動ける量が違うんや。
そう、自分に言い聞かせるようにしている。
そんな僕が、ダメ元で送ってみたジャニーズのオーディションに、何と受かってしまった。
一応履歴書には体力がないってちゃんと書いたんやで?
でも、僕にもできるかもしれへんって自信がついた。
ダンスレッスンは正直僕にはしんどいし、途中で休憩してしまうことやってよくあるけど、
ほんまに楽しいし、
それに、僕には仲間がおるから。
やからきっと頑張れてるねん。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。