ー「えぇっ!!」
レッスン室に声が響いた。
今日はダンスレッスンかと思ったら、僕としげと流星と神ちゃんだけ、別室に呼ばれた。
マネージャーさんが来るまで、分けわからんくらいドキドキしてた。
一体何があったんやろうって。
微かな期待と、半端ないほどの不安。
いつも僕らの仕事のスケジュールやら何やらを管理してくれはってる、ジュニア全体のマネージャーさんは、緊張してるからか4人1列でぎゅっと固まって座ってる僕らを見て、ニコニコ笑った。
ニコニコしたままそう言って、もったいぶる。
何も言わずにマネージャーさんを見つめる。
一体何の話やねん!
僕らが何も言わないで見つめるのに耐えきれなくなったマネージャーさんは「じゃあ言うよ!」と咳払いした。
はい、冒頭に戻る。
4人の声が、信じられないほど大きかった。
一瞬で静まり返る部屋。
この事務所、結構適当やんな?
信じられないと、口々に言いながら、全員笑顔が止まらない。
しげが呼ばれてしげが「はい」と顔を上げると、マネージャーさんは真面目な顔になった。
そう真剣に伝えた。
戸惑うしげの背中を、神ちゃんが笑顔で叩いた。
「ぴったりや」そう言って。
僕も、流星も、同じように頷く。
しげは、僕らを見て、そして、マネージャーさんを見て頭を下げた。
そんなしげを筆頭に、僕らも、同じように頭を下げた。
ー「よろしくお願いします!!」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。