昼ごはんの時、珍しくしげがいなかった。
どっか行ってたんかな?
ご飯を食べ終わって6人で円になって話してたら、レッスン室にしげが帰ってきた。
神ちゃんが声をかけると、しげは頷いて、こっちに歩いてきた。
その表情がいつもとは違う、硬くて不安げで、
何かあると思った。
しげは僕らの円の中に入ると、みんなを見た後、唾を飲み込んで俯いた。
いつもとは違うしげに、みんなが戸惑っていた。
しげの言葉に、しんと静まり返る空間。
名前を呼ばれた3人が、「え?」と同時に顔を上げた。
少し苛立ちのまじった声で、神ちゃんが言いながら立ち上がって、それを淳太君が止めた。
優しく尋ねられて、しげは泣きそうな顔になった。
でも、唇をかみしめて、
その後、深呼吸して、
全員が、いや、正確に言うと神ちゃん以外が顔を上げた。
病気のことを知ってたらしい神ちゃんが、立ち上がって声を上げた。
そんな神ちゃんの声に重なるように、しげが「オレな・・・」と神ちゃんを見た。
・・・あと1年?
頭の中が真っ白になった。
しげは・・・余命宣告されるような病気なん?
あと1年・・・って・・
どういうこと・・・?